ワンランク上の節約術~医療費を安くする裏ワザ~

取り上げたことの少ない節約の裏ワザとして、医療費を安くする方法があります。健康でいれば病院に行くこともないので、一番の節約ではありますが、なかなかそう上手くもいきません。毎年のようにインフルエンザは流行しますし、念のため、毎年予防接種を受けているという人も多いのではないでしょうか?健康保険に加入していれば、医療費の自己負担は最大でも3割です。とは言っても、何度も病院に行ったり、薬をもらい続ければ、医療費はどんどん増えてしまいます。そこで今回は、医療費を賢く節約する方法をご紹介します。

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「病院」と「診療所」を上手く使い分けよう

みなさんは「病院」と「診療所」の違いが分かりますか?
なんとなく、大きい施設が病院で、比較的小さい施設が診療所と思っている人も多いのではないでしょうか?

あながち間違ってはいないのですが、法律では、ベッドの数が20床以上ある医療施設を「病院」、19床以下、もしくはベッドのない施設を「診療所」と定めているので、正しく理解しておきましょう。

病院の中には総合病院や大学病院と呼ばれる大きな病院もあります。
このような大きい病院には、400床以上のベッドがあります。

大きな病院へは「診断情報提供書」いわゆる、お医者さんからの紹介状がないと、通常の料金にプラスで初診時は5,000円以上、再診時は2,500円以上の「選定療養費」というものが請求されます。

なので、いきなり大きな病院へ行ってしまうと、より多くのお金がかかってしまうことがあるのです。
急病などではない限り、診療所もしくは、ベッド数200床未満の病院へ行くのをおすすめします。

「選定医療費」がかかるかどうかは、病院のウェブサイトや受付でも確認できるので、近くの病院の情報は事前に調べておくと良いと思います。

診療時間外だと料金が高くなる

診療を受ける時間帯も気にして欲しいです。
というのも、診療時間外の早朝、もしくは夜遅くに診療を受けると、病院も診療所も料金が高くなります

病院や診療所には必ず、「診療時間」というのが決められています。
病院の診療時間は平日は午前8時から午後6時まで、土曜日は午前8時から正午までです。
日曜、祝日(年末年始を含む)は原則休みとなっています。

この決められている診療時間外の受診となると、「時間外加算」「深夜加算」「休日加算」といった料金が上乗せされるので、以下を参考に覚えておくと良いでしょう。

時間外加算

午前6時から8時と午後6時から10時(土曜日は、午前6時から8時と正午から午後10時)に受診した時に、初診の場合850円、再診の場合650円が加算される

深夜加算

午後10時から翌朝6時に受診した時に、初診の場合4,800円、再診の場合4,200円が加算される

休日加算

日曜日や祝日、年末年始(12月29日~1月3日)に受診した時に、初診の場合2,500円、再診の場合1,900円が加算される

これらの加算分にも健康保険は適用され、自己負担は3割なので、微々たるものかもしれませんが、余分な出費を避けたい方は「診療時間内」での受診をおすすめします。

診療所の場合

診療所の診療時間も病院と同じように決められていますが、一部の診療所では患者さんが受診しやすいように、診療時間を午前7時から午後8時まで設定しているところもあります。
しかし、診療所が独自に決めた診療時間内であっても、午前8時前や午後6時以降の診察の場合は、「時間外加算」や「深夜加算」が上乗せされているのでご注意を!

調剤薬局の場合

病院へ行くと薬を処方してもらうことが多いと思いますが、薬をもらう調剤薬局にも「夜間、休日等加算」があります。
調剤薬局の場合は、病院よりも終了時間が1時間遅く、平日は午前8時から午後7時まで、土曜日は午前8時から午後1時までが通常の料金となっています。

それ以外の時間に処方してもらうと、400円が加算されます。
こちらも健康保険が適用されるので、3割負担の人なら120円が加算分になります。

医療費を節約するためには、このような基本情報を覚えておきましょう。

補助金制度を知って賢く利用しよう

インフルエンザの予防接種

健康のためにも、医療費の節約のためにも、病気になる前の予防が大切です。
予防として、一番身近にあるのはインフルエンザの予防接種ではないでしょうか?

冬の初めごろから春先にかけて毎年のように流行するインフルエンザ。
予防接種を受けることで、ウイルスに対する免疫力を高めたり、症状を軽くすることができます。

しかし、インフルエンザの予防接種は病気の治療ではないため、健康保険の適用外なのです。
地域や医療機関によって多少の差はありますが、1回あたり2,500~3,000円ほどの費用がかかります。
家族全員で受けるとなると、結構な金額になってしまいますよね…。

そこで、補助金を利用しましょう。
補助金の内容は、健康保険組合によって異なりますが、保険の加入者、またその家族に対して1人1回あたり1,000円~3,000円程度の補助金が支給されます
補助金を利用すれば、少なくとも、かかった費用の半額は補助されると思います。

申請の際に、申請書や領収書が必要になるので、予防接種を受けて代金を支払った後に必要書類を受け取り、送付して申請しましょう。

人間ドック

ある程度の年齢になったら、「人間ドック」を行う人も多くなると思います。
病気の早期発見のためにも、人間ドックはやっておくべきなのですが、こちらもインフルエンザの予防接種と同様に治療ではないため、全額自己負担になります。

そして人間ドックもまた、健康保険の補助が受けられます
国民健康保険に加入している人であれば、自治体が実施している人間ドック助成金制度が利用できます。
会社員の人は、勤務先が加入している健康保険の補助金制度を利用できますが、一般的に支給条件を35歳以上と定めている企業が多いようです。

年間医療費が10万円超えたら確定申告を!

「医療費控除」というものをご存知ですか?
医療費控除とは、1年間の医療費の自己負担額が10万円を超えた分を所得から控除できるというものです。
家族全員の医療費を合算することができますので、10万円を超える世帯も多いのではないでしょうか?

ただし、医療費控除の対象外のものもありますので、以下を参考にしてください。

医療費控除の対象

・診療料金
・医師から処方された薬代(湿布なども含む)
・虫歯治療、入れ歯、インプラント
・入院時の部屋代、食事代
・治療のためのマッサージ
・妊婦検診、分娩費用

医療費控除の対象外

・風邪予防のうがい薬、マスク
・健康増進の漢方薬
・インフルエンザの予防接種
・高価な入れ歯、美容目的の歯列矯正
・入院時の差額ベッド代
・疲れを癒すためのマッサージ

このように対象のものとそうでないものがあるのでご注意を!
医療費控除の申告には、病院や診療所、調剤薬局での領収書が必要となりますので、無くさずにきちんと保管し、確定申告をしましょう。

まとめ 医療費は必ず節約できる!

知っていれば得をすることは日常生活に数多くありますが、医療費もその一つです。
「病院に行かない」というのは上手な節約術ではありません。
健康のためにも、病院や診療所、調剤薬局を賢く使いましょう。

そして、診療してもらった際には、領収書を持ち帰り、必ず保管する癖を付けましょう。

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