株主優待を目当てに投資をするのはアリ? メリットと注意点も教えます

投資の魅力を考えた時、「株主優待がもらえること」と感じる女性もいると思います。株主優待とは、個人株主を増やすねらいなどから、株主に対して自社商品であったり、商品券等のサービスであったりの「プレゼント」をしてくれる仕組みです。そこで、株主優待を提供する企業への投資について、考えてみたいと思います。

  1. 株主優待
  2. 投資
  3. メリット
1

上場企業の3分の1が株主優待を実施

個別株に投資すると、株主優待をもらえるケースもあります。

例えば、個人株主とのコミュニケーションに長年取り組んでいるカゴメは、自社商品の詰め合わせセットを株主に送っています。
また、イオングループは、グループ企業での利用額に応じた一定率をキャッシュバックする株主優待があります。

多くの企業では、本業と連動した株主優待を設定していますが、必ずしも個人向け商品を提供する企業ばかりではありません。
そこで、商品券等で株主優待を提供する企業もあります。

長期的に株主を続けてくれた人を優遇する取り組みもあります。
これは、株主優待は権利確定日に株主名簿に記載されているかで判断するため、翌日になると株を売り払ってしまう人もいるからです。

ディズニーランドの運営で知られるオリエンタルランドは、ワンデイパスポートを株主にプレゼントしていますが、長期株主についてはパスポートの枚数を増やすと発表して話題となりました。
タカラトミーも、長期株主に対しては自社商品の購入時に割引率が高くなる仕組みを設けています。

こうした株主優待は、上場企業の約3分の1が実施していると言われています。

2

株主優待以外に配当をもらえるメリットもある

株主優待をもらう方法はとても簡単です。
株主優待の権利確定日として指定された日付で、当該株式を保有していればいいだけです。

証券口座を開設している場合、証券会社に現住所の登録をしています。
これを用いて、株主としての名簿にも住所・氏名が記載され、郵送物などが送られてくる仕組みです。
権利確定日と実際の株主優待が届けられる日には間がかなり空きますので、忘れていた頃にやってくるプレゼントという感じになりますが、楽しみに待ちましょう。

もし引っ越ししていて、証券会社に届を出していない場合、株主優待が届かないこともありますので、きちんと転居の届け出をしておきましょう。

なお、株主優待は基本的に国内企業が国内の株式市場で行っているものです。
近年ではアメリカの上場企業の株主になることも簡単にできるようになりましたが、株主優待はありません。

また、株主がもらえる嬉しいメリットは、株主優待だけではありません。
企業の成長が評価され、株価が上昇した場合、取得時の価格以上の値上がり部分はあなたの利益となります。
平均的には、預金金利以上の上昇が株式に期待でき、株主投資の魅力になります。
もちろん、リスクもあって値下がりする可能性もあります。

あまり知られてはいませんが、「配当」というのも、個人株主にとって魅力的なものの1つです。
これは企業が利益の一部を株主に分配するものです。
実は、上場企業の平均では、配当利回りが2.0%にもなっています。

銀行預金金利が0.001%のような超低金利である時代に、これは驚きの高利回りです。

ただし、企業が赤字であった場合や、新規事業に資金が必要であるなど、配当を控えることを株主総会で提案し、認められた場合には、配当が予想より少額となったり、あるいは行われないこともあります。
銀行預金金利のように、確定されていないことには注意してください。

3

株価の変動幅が大きくなることに注意

女性が個別株に投資をして、個人株主になることは「投資をスタートするきっかけ」としてアリだと思います。
「優待で何がもらえるのかな」と、検索サイトでリサーチしてみるのもいいでしょう。
「あの企業がこんな株主優待を提供しているんだ!」と発見があるはずです。

一方で、女性向けの注意点もあります。
まず、個別株の投資は、市場全体の平均的値動き(インデックス)と比べて、変動幅が大きくなることです。
平均より大きく上昇するならありがたいことですが、その逆もあることは覚えておいてください。
株主優待を目当てにしても、株価が下がり続けるようではあまり意味がありません。

また、投資をした企業への愛着が「推し」となってしまう心配もあります。
企業の取り組みや商品、あるいは理念に賛同し株主となるわけですが、その企業に愛着が湧き過ぎてしまい、「推し変」(企業の将来の成長性に疑問が生じた場合など、違う企業へ投資先を変更すること)ができなくなってしまうのです。

「株主優待だけで企業を選ぶ」というのもいささか問題です。
その企業がどんな事業をしているのか、企業の成長性はどうかは見ずに、「株主優待は何千円の価値があるか」だけで、投資をするのはあまりオススメできません。

まとめ

オススメは投資信託と組み合わせること

株主優待を上手に活用しつつ、賢く投資をする方法として、「投資信託+個別株投資」を組み合わせることをオススメします。
いくつかの企業について、株主優待が欲しく、かつ企業の取り組みに個別に応援してみたいのであれば、何社かに絞って個別株の投資をしてみましょう。

しかし、運用のリスクは高くなってしまいますので、投資信託を同時に保有し、分散投資も同時に実行します。
できれば個別株投資の総額より多く投資信託を保有するほうが、値動きは安定的になります。

また、株主優待狙いの個別株投資では国内に集中してしまうので、投資信託は外国株への投資を意識して選択するのもいいでしょう。

株主優待とそれに伴う個別株投資は楽しく、魅力的であることは間違いありません。
興味があれば、投資デビューのきっかけとしてみてはいかがでしょうか。