どうして便秘に悩む女性が多いの? 原因を見つけて改善していきましょう

便秘は、老若男女を問わず、誰にでも起こり得る症状です。ただ、男性よりも女性のほうが便秘になりやすい傾向がありますので、その理由を紹介します。また、便秘は気になりつつも、「まぁいつか出るでしょ」と放置している女性も多いのでは? しかし、便秘を放置すると、健康のリスクもあります。改善方法も紹介しますので、できる限り改善していきましょう。

  1. 便秘
  2. 原因
  3. 改善法
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男性より女性のほうが便秘になりやすいワケ

男性よりも女性のほうが便秘に悩む方が多い傾向にあります。
なぜ女性が便秘になりやすいのでしょうか、その原因を4つ紹介します。

原因① 女子ならではのホルモンバランスの変化

女性は生理があるため、月経周期によってホルモンバランスが乱れることがあります。
ホルモンバランスの乱れは、便秘の原因の1つです。
女性の場合、生理前になると女性の身体の中で、黄体ホルモンや卵胞ホルモンが分泌されます。
黄体ホルモンは腸の動きを鈍くする傾向があるため、排卵後から生理にかけて便秘になる方が多いです。
また、黄体ホルモンの分泌により、便に含まれている水分が腸壁から吸収されてしまうため、便が硬くなり、スムーズに排便できなくなります。
人によっては、生理が終わり黄体ホルモンの分泌が減少すると、下痢になる方もいるので、女性の排便は生理に影響される傾向があります。

原因② 妊娠や出産による便秘

妊娠中も黄体ホルモンが多く分泌されるため、便秘になりやすいです。
出産後も骨盤底筋の衰えや母乳育児による水分不足、自律神経の乱れが起こりやすく、便秘になる場合があります。
出産後は約6~8週間は腸の動きが鈍くなる傾向にあるため、便秘になりやすい時期と言われています。
妊娠や出産は体力が消耗されるので、しっかりと身体を休めて体力をつけ、健康的な食生活を心がけながら、便秘改善をめざしていきましょう。

原因③ 腹圧の弱さ

女性は男性よりも腹筋の力が弱い方が多いです。
筋力が弱いと、排便時に上手く腹圧がかけられず、便を排出できずに便秘になる場合があります。
筋力の低下は、腸のぜん動運動そのものも鈍くなるため、運動不足は便秘の要因となります。
高齢になると、さらに筋力が衰えていく傾向にあるので、便秘の改善のためにも普段から身体を動かしたり、筋肉を鍛えたりしながら健康な身体を作っていきましょう。

原因④ 過度なダイエット

ダイエットを理由に、食事の摂取量を減らしたり、栄養が偏ったりすると、便秘を引き起こす場合があります。
食事の量が減ると作られる便の量も少なくなるため、腸への刺激が弱まり、腸のぜん動運動が弱まってしまいます。
スムーズな排便をめざすためにも、過度な食事制限は控えましょう。
食物繊維の不足も便秘の要因です。食物繊維は便量を増やしたり便をやわらかくしたりして、排便をスムーズにしたりする効果に期待ができる栄養素です。
ダイエット中も充分な食物繊維を摂取するために、この機会に食事内容を見直してみましょう。

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便秘を放置すると肌荒れしやすくなる

便秘が気になりつつも、「時間が経てば便が排出されるでしょ」と考え、そのまま症状を放置している女性も少なくありません。
しかし、あまり放置していると、健康に影響を与えるリスクがあるので注意しましょう。

そのリスクとして、便秘を放置すると、腸内で悪玉菌や腐敗菌が増加し、便やおならのにおいが強くなります。
腐敗菌の増加は肌荒れや口臭、不眠や高血圧の原因にもなるので、便秘を放置するのは良くありません。
悪玉菌は動物性の脂やタンパク質をもとに腐敗臭を出しているので、普段から肉食中心の食事が多い方は食生活の見直しが大切です。

健康はもちろん、美容の観点からも便秘を放置するデメリットが大きいので、便秘の症状が現れたらなるべく早く対処しましょう。

2つ目のリスクとして、便秘を放置していると、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。
痔や直腸の一部が肛門から出る直腸脱(脱腸)、肛門が避ける裂肛など、痛みや不快感が伴う合併症になる場合があります。

さらに、便秘は大腸がんをはじめとする消化器疾患のリスクを高めるとも言われているので、健康を維持するためにも便秘予防に努めましょう。

もちろん、便秘が必ずしも合併症や消化器疾患につながるわけではありませんが、あくまでもリスクの1つとして、頭の片隅に入れておいてください。

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食物繊維を積極的に摂取しましょう

それでは、便秘解消の期待ができる、生活習慣の見直し方法を紹介します。

まずは、ダイエット中の女性も含め、普段からきちんと栄養バランスの整った食生活を心がけてください。
食物繊維は便秘解消に期待ができる栄養素なので、普段の食事で積極的に取り入れていきましょう。

食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2つに分類されます。
水溶性食物繊維は便をやわらかくしたり、善玉菌を増やしたりする効果を期待でき、不溶性食物繊維は便量を増やして腸のぜん動運動を促すことを期待できます。
どちらも便秘解消に必要な食物繊維なので、以下の食材を参考にバランス良く摂取してください。

●水溶性食物繊維 海藻類、やまいも、オクラなど
●不溶性食物繊維 玄米、大豆類、ごぼう、きのこ類など

腸内環境を整える乳酸菌や発酵食品も積極的に摂取すると良いです。
ヨーグルトやチーズ、味噌やキムチ、納豆、酢も食事に取り入れてみると良いでしょう。

次に、不規則な生活を送っている女性は、規則正しい生活を心がけることが大切です。
毎日十分な睡眠を取り、ストレスの少ない生活を意識しましょう。

睡眠不足やストレスは自律神経の乱れにつながる可能性があります。
自律神経が乱れると、便意異常を起こす場合があるので、心身の健康に努めましょう。

3つ目は、運動不足が便秘の要因となるため、運動する習慣を身につけることも大切です。
負荷の重いハードな運動を行うのではなく、無理なく続けられる運動を見つけましょう。

全身運動は自律神経を整えたり、腸の動きを活発にしたりする期待ができます。
ヨガや水泳、ウォーキングやランニングなど、自分が楽しく続けられる全身運動を探してみましょう。

排便時にきちんと腹圧がかけられるように、全身運動を合わせて腹筋も鍛えましょう。
腹筋運動は、腹部の血行を促進する効果も期待できます。

最後に、便意を我慢するクセが付いている女性は、便意を感じたらすぐにトイレに行く習慣を身に付けると良いです。
便意の我慢が続くと、直腸や結腸の反射が鈍くなり、便意を感じにくくなってしまいます。

忙しくてトイレにこもる時間が少ない女性も、便意の有無に関わらず、ゆっくりトイレに入る時間を作りましょう。
排便リズムを整えるためにも、便意を感じたらすぐにトイレに行くようにしてください。

まとめ

睡眠不足やストレスも便秘の原因に

女性は男性よりも便秘になりやすい原因が多いです。
便秘は身体にあらゆる影響を与えるので、普段からしっかり予防していきましょう。

生活習慣の見直しや食生活の改善を行いながら、便秘の要因を1つずつ解消していくことが大切です。
睡眠不足やストレスも便秘の要因となりますから、できる限り規則正しい生活を心がけてくださいね。