“女性”と“片頭痛”の関係とは?頭痛を引き起こさないための生活習慣

昔から、男性よりも女性に多い片頭痛持ち。頭の片側または両側のこめかみ付近がズキンズキンと痛み、月に1~2度、多いと週に1~2度も起こります。頭痛が起こると仕事や家事の効率が下がったり、お出かけの予定をキャンセルすることになったり…。日常生活に支障をきたすようなこの頭痛は、なぜ男性よりも女性に多いのでしょうか?そこで今回は、女性と片頭痛の関係を探っていこうと思います。あわせて、片頭痛を防ぐ生活の工夫もお伝えしようと思います。頭痛に悩まされている女性のみなさん、ぜひ参考にしてみてくださいね!

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片頭痛とは?

繰り返し起きる頭痛にはいくつかの種類がありますが、その中でも日常生活に支障が起きやすいのが「片頭痛」です。最もよく起きる頭痛である「緊張性頭痛」が、頭全体がギューッとしめつけられるような痛みであるのに対して、「片頭痛」はこめかみから目のあたりがズキンズキンと痛みます。体を動かすと痛みが増すので仕事や家事をしたくなくなり、いったん痛みだすとしばらく続き、1ヶ月に1~2度、多い人では1週間に1度と周期的に繰り返すのが特徴です。

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“女性”と“頭痛”の関係

女性が男性の約1.5倍
男女とも、働き盛りに多い傾向があるものの、各年齢層に幅広く起きています。

◎片頭痛の有病率(世界)

女性が男性の約3倍
圧倒的に女性に多いのが特徴です。これは世界中で共通しています。

昔から「頭痛持ちといえば女性」というイメージがありますが、こうしたデータがそれを物語っています。「緊張型頭痛」は、精神的なストレスも大きな原因となります。その「緊張型頭痛」の有病率が、男性より女性のほうが多いということは、とかく女性のほうが男性よりもストレスが多いといえるかもしれませんね。

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“女性ホルモン”と“片頭痛”の関係

片頭痛患者がなぜ女性に多いのかという理由はわかっていません。同じように男性よりも女性に多い病気としては、「アルツハイマー病」が知られています。どちらも性染色体が何らかの形で関与しているのかもしれませんが、それについてはまだ解明されていないんです。

ただ、女性の片頭痛の中には、女性ホルモンが関係していると思われるものがあります。生理が始まるころになると必ず頭痛がするという人や、生理が終わると頭痛が起きるという人は多くいますが、これらはいずれもホルモンが変動する時期に起こっています。なかでもエストロゲンの分泌が減ると、脳内のセロトニンも減少します。セロトニンには血管の収縮をコントロールしたり、痛みを抑えたりする働きがあるので、これが減少すると痛みに過敏になって頭痛が起こりやすくなると考えられます。閉経後、ホルモン補充療法を行うと、片頭痛が悪化するケースがあることなどをみても、エストロゲンが片頭痛とかかわっている可能性は十分にありそうです。

閉経すると片頭痛はなくなるの?

多くの人の場合、片頭痛は思春期から20代くらいにかけて始まり、50〜60歳ごろまで続きます。昔は、「閉経すると片頭痛もなくなる」といわれましたが、 必ずしもそうではありません。70歳くらいになっても、片頭痛で通院している人もいるので、年をとると完全になくなってしまうということでもなさそうです。ただ、一般的な傾向としては、年をとると痛みの程度が弱くなるようです。そのため、お年寄りが激しい頭痛を訴えたときは要注意です。お年寄りが激しい片頭痛を起こすことはほとんどないので、その場合は、脳出血などによる二次性頭痛を疑いましょう。

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片頭痛チェック

同じ頭痛でも「緊張型頭痛」と「片頭痛」では対処法が違います。あなたの頭痛が片頭痛かどうか、チェックしてみましょう!

・月に数回繰り返し、数時間~3日間ぐらい頭痛が続く
・動くと頭痛がひどくなるので、できれば動きたくない
・ひどくなると「ズキンズキン」と脈打つように痛む
・頭痛時に吐き気がしたり、光や音に敏感になる
・両親や兄弟姉妹に片頭痛の人がいる

上記にひとつでもあてはまる人は、片頭痛の可能性があります。どんな時に片頭痛が起きやすいかを記録して、下記を参考に片頭痛が起きやすいシチュエーションを避けるようにしましょう。頭痛の記録(頭痛日記)は、病院を受診した際にも役立ちます。

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片頭痛を防ぐ生活の工夫

片頭痛は日常生活のふとしたきっかけで誘発されますが、片頭痛が起こりやすい条件は人によって違います。自分が片頭痛になりやすい条件を知って、条件が重なる時はできるだけその状況を避けるようにすることで、片頭痛はある程度防ぐことができます。下記を参考に実践してみましょう。それでも慢性的な頭痛が楽にならない場合は、一度頭痛外来や脳神経外科を受診してみることをおすすめします!

・イタリアンより和食を選ぶ

片頭痛は、脳の血管が広がって、神経が刺激されることで起こります。そのため血管を拡張・収縮させたりする物質を含む食品は避けましょう。血管を拡張・収縮させるポリフェノールやチラミンは、オリーブオイル、チーズ、赤ワイン、ハム・サラミなどイタリア料理には多く含まれ、和食には少ない傾向があります。その他、チョコや柑橘類も血流を促すので頭痛を誘発することがあります。

・乗り物に乗る時は位置に注意

乗り物は特有のにおいや振動、気圧の変化で脳を刺激するほか、高速で流れる車窓の風景や日差しなども頭痛の引き金になります。座席の位置や車内環境を改善すれば予防につながります。高速バスならエンジンの振動が伝わる後部座席や、タイヤの真上の座席は衝撃を受けやすいので避けましょう。新幹線は進行方向に向かって右の窓側は、新幹線がすれ違う時に急激な気圧の変化を受けやすいため、通路側に座るとよいでしょう◎

・光や音、においに注意

光や音、におい、気圧などの環境の変化には脳が過剰反応しやすく、頭痛が起こるきっかけになりやすいもの。まぶしい光は頭痛発作を誘発します。コンサート会場や映画館、太陽光線の強い夏の浜辺などは危険スポットです。また、カラオケボックスなど大きな音が鳴り響く空間は、脳を刺激して頭痛を誘発する可能性があります。食堂フロアや喫煙スペースなど頭痛を起こすにおいがする場所を通る時は、マスクで防御するのも有効です。また、エレベーターに乗ると気圧の変化で頭痛が起こることも。山登りや展望台にも注意しましょう!

まとめ

自分の頭痛のタイプを知ればコントロールできる!

今回は、片頭痛と女性の関係を中心にご紹介しました。「頭痛はいつものことだから」とあきらめず、ご自身に合った頭痛の対策を心掛けてくださいね。そのためには、頭痛のタイプを知ることも大切です。頭痛が起こるきっかけを知り、生活習慣を改善することで頭痛をコントロールしやすくなり、頭痛がもたらす不安や不快感が軽減されることでしょう。今日の記事をヒントに、ほんの少しの工夫で片頭痛を防いで、快適な生活を送ってくださいね♪