どうして“自律神経失調症”は女性に多いの?~自律神経の乱れを整える方法~

病院の検査ではどこにも異常はないのに、何だが熱っぽく、下痢や便秘、更にはイライラや落ち込み、めまいや耳鳴りなどの不快な症状が出てしまう事はありませんか?もしかしたらそれは自律神経失調症の症状かもしれません。しかし、「症状がなく、調子がいい時もあるし、症状が辛くてもしばらく我慢したらちょっと良くなるから…今は耐えるしかない」と、つい我慢しすぎてしまったり医療機関への適宜の相談・受診を渋ってしまったりしていませんか?そこで今回は、自律神経失調症の症状や原因、女性にどうして自律神経失調症が多いのか?など、説明をしていきます。ぜひ参考にしてください。

  1. 自律神経
  2. 女性ホルモン
  3. ストレス
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“自律神経失調症”ってなに?

心臓や肺・胃腸・脳などの各種臓器は、手・足と異なり、私たちが意識的にコントロールをしなくても働いてくれていて、それは私たちが眠っている間であっても同様です。理由は、私たちが生きていくためのカラダの生理面を自律神経が調整してくれるからです。自律神経失調症はこの自律神経のバランスが崩れることで、生活に不適な症状が出てしまったり、あるいは必要なタイミングで症状が出てくれないといったことが起きてしまうのです。

そもそも“自律神経”ってなに?

自律神経とは、心臓や胃腸・肺や皮膚、骨などのほぼすべての臓器に存在している神経です。交感神経と副交感神経の2つがあり、この神経が働き合う事により、体の臓器の調子を切り替えているのです。交感神経は特に活動や緊張をしているときに働く神経であり、脈や呼吸・体温などを調整します。一方で、副交感神経は休む時やリラックスしているときに働く神経であり、消化や体温などの調整をしています。

交感神経も副交感神経もどちらも大切な役割があり、体の状態や周りの状況に応じて、どちらかを強く働かせたり、働きを弱めたり等、バランスを取りながら作用をしている神経なのです。

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自律神経失調症の症状

自律神経が全身の臓器に分布している神経であるために、自律神経失調症の症状には非常に多くの種類の症状があります。ここでは、症状の一例をあげています。

頭…頭重感、頭痛
目…目の痛みや、目の疲れ・渇きなど
耳…めまい、耳閉感、耳鳴りなど
口…口臭、唾液が少なくなる、口が乾くなど
のど…引っかかる感じ、食べ物を飲みこみづらいなど
心臓…動悸を感じる、脈が速い、胸が痛いなど
肺…息が吸いづらい、咳が出る、息苦しいなど
胃…吐気、胃痛、むかむか、食欲低下、胃もたれ
腸…腹鳴、お腹のはり、おならが良く出る、下痢、便秘、腹痛など
膀胱…残尿感、違和感、痛み、頻尿
手足…ほてり、むずむず感、冷え、しびれ、震え
皮膚…かゆみ、痛み、ほてりなど
筋肉・関節…ほてり、関節痛、肩こり、筋肉痛、筋肉の張りなど
全身…発汗、微熱、ほてり、だるい、倦怠感など
精神…落ち込み、不安、イライラ、焦り、不眠、集中力が下がるなど

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自律神経失調症の原因

自律神経失調症の主な原因には4つ考えられます全てが当てはまるわけではなく、一部該当の方や、以下の内容以外の原因もあります。

①肉体的な慢性疲労など、体調の不調や自律神経の乱れ
②ストレス過多
③性格(完璧主義や細かいことを気にしだすと止まらない、我慢強い性格など)
④睡眠不足や昼夜逆転などの生活リズムの崩れ

どうして女性に自律神経失調症が多いの?

特に女性は、自律神経の乱れの原因と関係が深く、多くの女性が原因としても当てはまることが多いのです。特に女性ホルモンは自律神経の調整にも関与しています。女性ホルモンは月経や妊娠・出産、閉経など変化する機会が非常に多いために、自律神経系のバランスに非常に影響を及ぼしているのです。

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自律神経の乱れを整える方法

自律神経失調症はセルフケアも大切です。以下の方法を参考に、自律神経の乱れを整えましょう!

①自分の月経周期や周期に関連した症状を知る

ご自身の月経周期のパターンや、その月経周期に合わせた症状について把握してみましょう。月経の初めに症状が強く出やすい方や、月経始まる1週間~2週間前から出やすい方など、個人差はありますが、ご自身の傾向を知ることで、「体調がもうそろそろ辛くなる時期に入るから、無理をしないようにしないと!」と、前もって判断をすることが可能となります◎

②バランスのとれた食事

自律神経失調症に対するビタミンの有効性などの報告も散見されますが、その効果についてはまだしっかりと確立されていないものが実情です。ですが、体調や体力を維持する上で、大切なことはバランスのとれた食事をとることです。偏った食事ではなく、バランスのとれた食事をとることにより、体力や疲労の回復を促すだけではなく、糖尿病などのその他の疾病を避けることができるでしょう!

③十分な睡眠をとる事

十分な睡眠をとることは、体力の回復を促すだけではく、体内の時計や生活リズムを整えるきっかけになります。特に昼夜逆転している方には、夜十分な睡眠を確保するために、朝日の活用や、日中の活動などを取り入れることも大切です!

まとめ

カラダからのSOSを見逃さないで!

いかがでしたか?自律神経失調症は、内科などでなかなか異常が見つからないため、放っておいたり我慢しすぎてしまう事が多く、結果として、日常生活に大きく支障を来したり、うつ病や不安障害を合併してしまうこともあります。特に、自律神経失調症は女性ホルモンの変動を受けやすいために、症状で困っている女性も多いのです。また、ホルモンの変化に応じて、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返してしまうために、受診が遅くなってしまう事も多いようです。つらい症状が繰り返される時には、体からのSOSのサインなので、心療内科など医療機関への相談をおすすめします。