色の魔法~色がもたらす効果~

いつもの町並みや四季折々の風景、毎日着替える服、おいしい食事、仕事や趣味で使っている道具…など、わたしたちの生活の中には、たくさんの色が存在してますよね。そんないつどんな時でも接する色は、人を元気付けたり、落ち着かせたり、癒しを与えたりと人の心理にも働きかけているんです。この色が持つ心理効果を理解し、活用することで、人に与える印象をコントロールすることができます。また、人の感情までも動かすことが可能になるため、色の心理効果はデザインにおいても重要な要素といえるんです。そこで今回は、色が持つ心理効果とそれを効果的に活用する方法について説明していきたいと思います!色を上手に活用できれば日々の生活がもっとHAPPYになることまちがいなしなので、ぜひ参考にしてみてくださいね♪

  1. 感情
  2. 心理
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色にはどんな心理効果がある?

近年、色の心理効果は科学的にも明らかにされています。色によってモノのイメージを押し出したり、人の気分を変えたり、状況によっては健康面に影響する場合もあるんですよ!では早速、一般的な色の効果について見てみましょう。

<寒色と暖色>

寒さや冷たさを感じさせる色を「寒色」、暖かさを感じさせる色を「暖色」といいます。寒色は主に、青、青緑、青紫などで、暖色は、赤、橙、黄色などが当てはまります。また、どちらにも該当しない黄緑、緑、紫などを中性色といいます。

<軽い色と重い色>

一般的に、明度が高い明るい色は軽く感じ、明度が低い暗い色は重たく感じます。最も軽い色は白で、最も重い色は黒となります。

<柔らかい色と堅い色>

暖色系で明度が高く、彩度が低い色は、柔らかく見えます。一方、寒色系で明度が低く、彩度が高い色は、堅く見えます。

<興奮色と沈静色>

主に暖色系で彩度が高い色は、興奮感を与える効果があります。一方で、寒色系の彩度が低い色は、心理状態を落ち着かせる沈静効果があるとされています。

<進出色と後退色>

迫ってくるように見える色を進出色、遠くにあるように見える色を後退色といいます。一般的に暖色系の色や明るい色が進出して見え、寒色系の色や暗い色が後退して見えます。

<膨張色と収縮色>

同じ大きさなのに大きく見える色と小さく見える色があります。大きく見える色を膨張色といい、小さく見える色を収縮色といいます。大きく見える膨張色は迫ってくるように感じ、小さく見える収縮色は遠くにあるように感じるので、膨張色は進出色と、収縮色は後退色とほぼ同じ属性の色となります。

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それぞれの色が持つイメージ

色にはイメージや雰囲気、感情などを喚起させる効果があります。この効果をデザインに活かすことで、イメージや情報を正しく伝える可能性を高めることもできちゃうんです。それぞれの色が持つイメージを知っておくと、様々な場面で活用できると思いますよ♪

純粋、清潔、神聖、正義、空虚、無
グレー 落ち着き、大人、真面目、抑うつ、迷い、不信
高級感、重厚感、威厳、恐怖、絶望、不吉、悪、死
情熱、活力、興奮、高揚、怒り、暴力、警戒
喜び、活発、陽気、明るい、暖かい
黄色 愉快、元気、軽快、希望、無邪気、注意、注目
安らぎ、癒し、調和、安定、若々しい、健康、やさしい
知的、落ち着き、信頼感、誠実、爽快感、悲哀、冷たい、孤独
上品、優雅、妖艶、神秘、高貴、不安
ピンク 可愛い、幸福、愛情
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色を上手に活用してみよう♪

それぞれの色が持つイメージを知ったところで、次は活用の仕方もお教えいたします!

無彩色(白・黒・グレー)の活用方法

白は、汚れのない清潔なイメージや、明るいイメージを表現したい場合にとても効果的です。清潔なイメージとしては、ブライダル関係や医療関係などとの相性が良いですよね。明るいイメージは、住宅の白壁がわかりやすいと思います。白い壁は白が持つ明るさと光の反射が合わさってお部屋全体を明るい印象にしてくれる効果があります。

黒の活用方法として、一つは高級感や重厚なイメージを表現する場合に効果的と言えるでしょう。身近な黒を使用した家電と言えば、テレビやオーディオがありますが、黒が持つ重厚感や中身が見えない感じが、特別なものを内包している印象につながり、高級感を感じさせているんです。一方で、恐怖や悪といったイメージの表現もあります。ホラー映画の恐怖感や絶望感の表現、悪の存在や影のある存在を表現する場合にぴったりです。

グレーは、落ち着いた大人の印象を表現できるカラーです。落ち着いた大人の印象が洗練されたイメージにもつながるため、グレースーツなどのビジネスシーンでの活用や、住宅やオフィスなどの空間での活用にも効果的でしょう。

無彩色は、彩度のある色を強調するという効果も持ち合わせています。色味のある色と組み合わせる場合のベースカラーとしては、とても効果的なんですよ。

赤の活用方法

情熱的で活力のある赤は、行動を促す効果があります。店頭のサインやPOP、パッケージなどに使われることが非常に多いカラーです。また、お祭りなどのエネルギッシュなイベントでも活用されていたり、戦隊もののリーダーやヒーローも赤が多いですよね!ポジティブな意味での活用としては、他にも紅白などのおめでたい場でも使われます。一方、ネガティブな意味では怒り、暴力、警告といったイメージを表現する場合にも使用されます。パトカーのサイレンや消防車といった緊急を知らせるものや、停止や禁止を警告する標識や看板などに使用されているのを多く見かけます。

橙の活用方法

橙は喜び、陽気、暖かいなどの印象から温もりや家族の温かみを表現できるため、住宅関係に使用されることが多いです。また、楽しい雰囲気もあるので、陽気なイベントなどにも使われるカラーです。

黄色の活用方法

黄色は、愉快、元気、軽快、希望、無邪気といったイメージのカラーです。光の色を表す場合にも多く使われる黄色は、明るく楽しい印象を持たせる場合に効果的な色だといえます。一方で、注意を喚起する、注目させるといった効果もあるため、注意を促す道路標識や注目させたい看板などにも効果的と言えるでしょう。

緑の活用方法

緑は、自然に多いカラーなので、安らぎ、癒しを与えてくれます。そのため、リラックスできる空間や商品に効果的な色と言えるでしょう。また、自然のイメージに結びつくことから、健康的な印象も喚起させるため、健康食品や環境対応商品などにも多く使われています。その他にも緑が持つ穏やかなイメージが、安心や安全を連想させるため、非常口のサインなどにも使われいますよね。

青の活用方法

知的、落ち着き、信頼感、誠実といったイメージの青は、企業のコーポレートカラーとして使用されることが非常に多いカラーです。また、空や海、水を連想させるため、爽快感を演出させる場合にも大変効果的と言えるでしょう。一方、その静的なイメージから、悲しい、冷たいといった印象を与え、気分を沈めてしまう可能性もあります。

紫の活用方法

上品さや神秘的な印象を与える紫は、敷居の高さや特別感をイメージさせる色として効果的です。また、優雅さや妖艶な大人の女性をイメージさせるのにも効果的といえます。一方、不安な印象を持たせるカラーでもあります。

ピンクの活用方法

可愛いらしさといえばピンクですよね。女性や赤ちゃんをイメージさせるカラーといえます。また、ピンク色のものは、幸福感や愛情といった印象を与えるため、贈り物の包装紙やリボンなどに使われることも多いカラーです。

まとめ

色の心理効果を上手に活用して、よりHAPPYな暮らしを!

いかがでしたか?今回紹介したような色のイメージを普段の生活に取り入れることで、生活がかなり豊かなものになると思います。たとえば、可愛らしく見られたいと思うなら、ピンクの服を選んでみたり、知的に見られたいと思うのならブルー系の服を、上品に見られたいと思うのなら紫の服を選んでみてはいかがでしょうか。服の色ひとつ変えるだけでも、周りに与える印象はガラッと変わることでしょう。また、服だけに限らず、自分が生活する空間や、普段使用するものの色を、自分の求めているイメージや周りにこんな風に見られたいというイメージに合わせて選んでいくことで、生活がより豊かになることでしょう。ぜひ、色の心理効果を普段の生活や仕事に活用してみてくださいね♪