大手IT企業でもすでに導入! 立ったまま仕事のススメ
会社で、あるいは自宅でイスに長時間座って仕事をしていると、首や腰が痛くなってきますよね。何でも、アメリカの大手企業では、立ったまま仕事ができるスペースがあるのだとか。立ったままの仕事って、疲れてしまいそうな気もしますが、実際のところどうなのでしょうか。立って仕事をすることのメリット・デメリットを考察してみました。
アメリカの大手企業でも始めている
現在ではなんと、アメリカの大手企業であるGoogleやFacebook、日本でも楽天で、立ってパソコン仕事ができる「スタンディングデスク」が導入され、自由な職場環境づくりに役立っているとのことです。
確かに、立ってパソコンを操作しているだけで、自由闊達なイメージは湧きやすいですね。
海外や国内大手のIT企業が、科学的根拠もなしに導入することはないだろうと思われるので、立つことによる科学的裏付けを調べてみました。
<体重が減りやすくなる>
年齢を重ねるにつれ、体重がなかなか減らなくなりがちです。ところが、オーストラリア版ウィメンズヘルスの記事によると、興味深い研究結果が公表されています。
研究チームが1184人の被験者を対象とした46本の論文のデータを分析したところ、立っているときは座っているときよりも、1分あたりのカロリー消費量が0.15kcal多いことが判明したそう。
つまり、体重55kgの人が通常の労働時間を立って過ごせば、1日54kcalのカロリーが余分に燃やせるということ。
摂食量が変わらないと仮定すれば、1年間で2.5kg、4年間で10kgもの体重が減ることになります。
座ってパソコンをやめるだけで、1年に2.5kgも体重が減るとは大きなメリットですよね。
海外の実験結果に基づくデータですから、「立って仕事」に興味が湧いてきます。
上記の記事を読み進めると、「もっと長期の研究が必要」とありますのであまり鵜呑みにはできませんが、立って仕事をする大きな動機にはなりますね。
立って仕事をするプラス面は、分かりました。
それでは座り過ぎすると、首や肩が痛くなる以外に、何かデメリットがあるのでしょうか?
座り過ぎのデメリットについては、国内や海外で数多くの研究結果が公表されていますが、国内で警鐘を鳴らしている早稲田大学スポーツ科学学術院教授 岡浩一朗氏の論文では、より深刻な理由が指摘されています。
座り過ぎの健康影響についてまとめた最近の研究によれば、適度な身体活動を行っていたとしても、座り過ぎが死亡のみならず、肥満・過体重、体重増加、糖尿病、一部のがん、冠動脈疾患のリスクファクターとなっていることが指摘されています。
最近では、認知機能や抑うつ、機能的体力、運動器疼痛 (腰痛や首・肩痛) などにも悪影響をおよぼしていることが報告されており、健康寿命延伸のためには、いかにして座り過ぎを減らしていくかが鍵を握っていると思われます。
論文では、少なくとも1時間に1度立ち上がって動くことを推奨していますので、背延びや屈伸をして血行を良くする習慣を少しずつでも続けていくことが大切です。
首・肩・腰の痛みが減った
座り続ける危険性と、立つことの大切さはよく分かりました。
それでは、実際に「立って仕事」をしてみましょう。
そのためには、立ってパソコンを使えるデスクが必要ですが、現在ではネットで数多くスタンディングデスクが販売されています。
デスクがなくても、今までの机に物を載せて高さを合わせれば、すぐにでも「立って仕事」ができる環境を作れますよ。
あとは、勇気を持ってイスをしまいこんで、立って仕事を始めることです。
実際に立ってパソコン作業をしてみて感じた、メリットとデメリットを挙げてみましょう。
●首や腰の痛みが減った
●まめに休憩をとって仕事にメリハリがつく
●眠気はまったくなく頭は冴える
●血行が良くなった気がする
首と肩、そして腰の痛みが日に日に減ることが、一番のメリットですね。
また、イスに長時間座っていると、お尻も痛くなりますが、それもまったくありません。
さらに、立っているので足の筋肉が鍛えられるという予想外のメリットもありました。
「立って仕事」によって、健康を感じることができました。
慣れるまではふくらはぎが痛くなる
もちろんメリットだけでなく、デメリットもありました。
●立つことに慣れるまで時間がかかる
●長時間没頭して仕事するのが難しい
●クリエイティブな発想が湧きにくい
●ふくらはぎが痛くなる
●体調が良くない日は立ったままでつらい
やはり立ったままですから、足にきますね。
とくにふくらはぎが痛くなりがちです。
あまり体調が良くない日も、拷問のようでつらいです。
でも、立つことに慣れると、そこまでつらくないので、けっこう快適ですよ。
まとめ
より健康的に仕事ができる
立ったまま仕事は、意外と快適であることが分かりました。
そこまでストイックにならずに、疲れている日は座って仕事をすると、より健康的に仕事ができると思います。
イスに座り過ぎで首や肩、腰、お尻が痛いという人は、試してみると良いでしょう。