「守銭奴」と言われないために、守銭奴について学んでおこう!

「とりあえず貯金しておいた方が安心だから… …」と、明確な目的のない貯金をしている方って多いのではないでしょうか?このタイプの方、もしかしたら周りから「守銭奴」だと思われているかもしれません!「守銭奴って何?」という方や、「守銭奴って何となく悪いイメージ…」という方も多いと思うので、今回は、「守銭奴」の特徴や心理、「守銭奴」と言われないためにできることを解説していこうと思います。ぜひ、参考にしてみてください。

  1. 守銭奴
  2. ケチ
  3. お金
1

「守銭奴」と「ケチ」の違いって何?

まずは、守銭奴の意味から説明していきましょう。守銭奴とは、「金銭に対する欲が強く、貯めることに執着がある人」のことを指します。元々はフランスの劇作家・モリエールが書いた戯曲のタイトルで、その主人公がお金に異常な執着心を持つ人物だったことから、比喩的にそのような人に対して「守銭奴」という言葉を使うようになったといわれています。一般的には悪い意味で使うことが多いので、お金に執着が強いと感じても、他人に対して安易に「守銭奴」という言葉を使うことはやめておくのが無難です。

「守銭奴」と「ケチ」の違い

「ケチ」という言葉はよく使うけれど、「守銭奴」はあまり耳馴染みがないという方も多いと思います。「お金に執着しているため、自己出費が少なくなる」という状態をあらわす意味では、ケチと守銭奴は同義ではあります。しかし、ケチは「お金を使うことが嫌い」という心理が主であるのに対して、守銭奴は「お金を貯めることが大好き」という心理が主となります。また、心が狭い人の例えとして「ペンも貸してくれないなんて、あの人はケチだ!」などと使うことがあるのに対し、守銭奴はあくまでもお金に対する向き合い方に対してのみ使います。

2

守銭奴と言われる人の特徴

では、「守銭奴だ」と言われる人にはどのような特徴があると思いますか? 「自分は守銭奴なのかも……」と思っている人は、次の特徴に当てはまるかどうか、ぜひチェックしてみてください!

①「損得勘定」が強い

例えば、会費が2000円の料理バイキングがあったとします。ケチな人は2000円でも出費があるので行くのを渋る可能性がありますが、守銭奴な人は2000円の出費で5000円の料理が必ず食べられるのであれば行きます。すべて貨幣価値で換算して、プラスになるかどうかが最重要なのです。

②無料のものが好き

ケチな人も守銭奴な人も無料が大好物。しかし、その心理は違っています。たとえばサービスで「ご自由にお持ち帰りください」というものが店舗にあった場合、ケチな人は「家にあるものをいかに減らさないか=手持ちの量を増やし得をする」という心理であるのに対して、守銭奴は「これをもし買うとしたらいくらか=いくら儲かることになるか」という方向で考えているという違いがあります。

③「コト消費」が苦手

学びや楽しさはお金に換算することができませんよね。そうした物質的な価値ではないものに対してお金を使うことを俗に「コト消費」といいますが、守銭奴はこれがとても苦手です。「物理的に目に見えるもの」以外の消費には、とても慎重になります。

④お金に対して細かい

根底にあるのは「たかが1円、されど1円」の心理です。複数人での食事会などでは、合計金額をきっちり1円単位まで分けたがります。「ざっくりでいいよね」などと誰かが言おうものなら、あからさまな不快感を示すこともあります。

⑤貯蓄高を眺めるのが好き

好きなものってずっと見ていられますよね!守銭奴の人は趣味が貯蓄なので心理はこれと同じ。お金が大好きなので、お金ならずっと見ていられるというわけです。具体的には頻繁な通帳記入、ネットバンクの利用明細の頻繁なチェック、保有株や債券の値動きを見続ける…などです。

3

守銭奴の心理とは一体?

そんな「守銭奴」と言われる人には、以下のような心理が働いています。

①幼少期の金銭的なトラウマ

幼少期にお金で苦労した体験があると、お金に執着するようになる傾向があります。つまり、「もう二度とお金がないことでつらい思いをしたくない」という心理です。

②未来に対する過度な不安

守銭奴の人は、未来に対する不安感情が強いです。そのため、いくら貯金が増えても「将来何かがあって急にお金が必要となるかもしれない……」という漠然とした不安から、貯める執着から逃れることができません。

③お金に絶対的な価値を置いている

これは、いわゆる「金がすべて」という価値観です。そのため、お金を持っている人に対しては、尊敬や畏怖の念を抱く傾向があります。一方で、お金を持っていない人に対しては見下したり、侮辱的な発言をしたりすることもあります。

④お金のためならプライドを容易に捨てられる

例えばパートナーの浮気など「どうしても許せない」と思ったことがあるとしましよう。そのとき相手に絶対謝ってほしい、裁判で決着をつける、など最初は息巻いていたとしても「○○円払うから穏便に」などと金銭を提示されると、簡単に承諾してしまう傾向があります。

4

守銭奴と言われないためにはどうすれば良い?

「守銭奴」は一概に悪いとはいえないものの、周りからそう見られるのは嫌だという人もいるでしょう。そんな方のために、「守銭奴」と言われないための方法をお伝えします。

①絶対に使う額を決めて使い切ってみる

お給料をもらったら、「絶対に使い切る金額」を決めて、その額を必ずひと月で使い切ることを数カ月続けてみましょう。その際に、すべて自分のためだけに使うのではなく、少額でも他人のために使うということを取り入れてください。貯めることだけでは得られない楽しさや、人から感謝される喜びなど、お金に換算できない感情を体験することができるでしょう♪

②お金の話をしない

家でひとり通帳を見たり、株価の動向を見てニヤニヤしたりしているのは自由です。何度も言うように守銭奴タイプは趣味が「お金」なので、趣味のものを眺めて悦に入ることは個人の自由なのです。しかし、そうしたことを他人に話したり儲け話にばかり飛びついたりしていると、他人は不快感を覚えることもありますので注意が必要です。

③刹那的な思考を意識する

未来のことは誰にもわからないので、不安になることは誰にでもあります。しかし、そこにばかりに焦点を当てていると、お金を貯める執着から解放されることはないでしょう。お金のことを考えている自分に気づいたら、「なんとかなるさ」「明日は明日の風が吹く」などと、刹那的な言葉を口に出して、自分に言い聞かせてみてください。声に出すことによって、頭に記憶されやすくなります。そうして思考の癖を少しずつ修正していくのをおすすめします。

まとめ

「お金」はあくまでも手段

ある学者は、人生におけるキャリアプランを考えるとき「人生の役割=4つのL」を基本にし、それをパッチワークのように組み合わせながら考えることを提唱しています。その4つのLとは「労働(Labor)」「学び(Learning)」「愛情(Love)」「余暇(Leisure)」です。そして、これらを充実させるためのツールに「健康」と「経済」があります。つまり、経済=お金とはあくまでも「手段」でしかありません。目的と手段をはき違えないように意識して生活していくことで、充実した人生につながっていくでしょう!