家計に役立つ「シェアリングエコノミー」って知ってる?

欧米を中心に広がりを見せる「シェアリングエコノミー」という新しい市場を知っていますか?日本では2016年1月に、東京大田区で一般住宅の空き部屋等を宿泊所として提供する「民泊」が解禁されたことで、大きな話題となりました。そこで今回は「民泊」ビジネスも含め、この数年で大きなトレンドとなった「シェアリングエコノミー」について説明していこうと思います。今後、シェアリングサービスのビジネスモデルや仕組みを理解することは、就職や、転職、起業を考える際の大きな選択肢となるビジネスになる可能性が高いため、「シェアリングエコノミー」とは何なのかを知っておくだけでもためになると思いますよ♪

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「シェアリングエコノミー」ってなに?

シェアリングエコノミーとは、簡単に言うと、自分達が持っている「個人資産」を、使ってない時間に他の個人へ貸し出したりすることで、その資産を有効活用させるということです。
最近では、賃借以外にも、使い終わった資産を手軽に個人売買すること(フリマ)も、シェアリングエコノミーの定義内に入ってきています。

そして、シェアリングエコノミーでは、この「個人資産」というのがポイントです!
これまでは、サービスやモノを使う場合、それが自分のものではない限りは、基本的にそれらのサービスやモノを提供する業者を使い、サービスやモノを買ったり、借りたりしていました。

しかし、このシェアリングエコノミーは、個人が持っている資産で、なおかつ、その資産が使われていない時間に、その資産を貸し借りしたり、売買することを指します。

例えば、自分で所有している家の中に、1ヶ月に半分しか使っていない部屋があるとしましょう。
その部屋を使っていない時に貸し出し、その分の対価を得ることができれば、遊休資産になってしまっていたその部屋が、価値を発揮することができます。

そして、借り手側からしても、もともと遊休資産となっている部屋を借りるため、通常の宿泊業者にはない価格や価値を享受することができます。

「空間」のシェア

空間のシェアとして、代表的なものとして「民泊」が挙げられます。
欧米では昔から個人の家をバカンスで留守の期間、誰かに貸し出すという習慣がありましたが、2008年にアメリカでスタートした「Airbnb(エアビーアンドビー)」によって、一気に世界中に普及し、利用者・提供者ともに増えて民泊市場は今も拡大しています。

日本でも特区による民泊が許可されましたが、空き家や空き室を利用した違法な民泊が増えたことから、2018年6月15日に施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)で、「都道府県への届け出」や「営業日数は年間180日以内」などが規定され、「不在時の管理業者への委託」などが義務化されました。

さらに自治体ごとの条例による地域や曜日の規制も始まり、個人事業者などの多くが廃止・撤退し、民泊サイトへの登録数は激減してしまったのです。
その代わり現在は、大手企業がぞくぞくと民泊事業に参入しています。

住宅以外にも、空いているスペースを貸し出すなど、空きスペースを有効活用するケースが増えています。
コワーキングスペースは、会員登録すれば30分単位などからオフィスを借りることができ、外出先で仕事をしたい営業マンや、フリーランスが利用しているそうです。

さらには既存の店舗の店先だけ借りて、1日から店を開くことができるサービスもあったり、と借り手にとっては、使いたい時間や日数だけ手軽に利用できるのが魅力的なサービスとなっています。

具体的なサービス

Airbnb(エアビーアンドビー)

予約可能な施設が191ヵ国に約500万件、81,000都市に200万人もの利用者がいる宿泊プラットフォームです。
日本では36社と提携し「Airbnb Partners」で独自の施策を展開しています。

STAY JAPAN(ステイ ジャパン)

住宅宿泊事業法、特区民泊、旅館業法に登録された合法民泊のみを扱う、日本最大級の民泊予約サイトです。
農業漁業体験ができる農泊などもあります。

toppi!(トッピ!)

三井不動産リアルティが運営しています。
空きスペースを有効活用したい人と、外出先で駐車場を探すドライバーをマッチングする、事前予約駐車場サービスです。

「モノ」のシェア

服や家電などを買わずに借りるレンタルサービスや、自分が使わなくなったものを次に必要な人に売るフリーマーケットなどが、この「モノ」のシェアにあたります。
これまでは、モノを所有することが経済的な豊かさを示していましたが、年齢や家族構成によってライフスタイルが変化し、欲しいものや必要なものがコロコロ変わってしまう現代…。
所有にこだわらない考え方も浸透してきています。

「所有から共有へ」と言われるように、モノは必要なときだけ借りれば十分、中古で買って使うというスタイルも定着してきています。
この方法は、購入して所有し続けていくという従来の方法よりも消費支出を減らし、身の回りのモノも減らしてすっきり暮らせる効果も期待できちゃいます。

具体的なサービス

メルカリ

みなさんもご存知の通り、日本最大のフリマアプリです。
スマホで写真を撮るだけですぐに服や雑貨など、何でも出品して個人間売買ができるアプリです。

「売っていないものはない」というくらいあらゆるものが出品されています。
月間利用者数はなんと、1,000万人以上

着ルダケ

・ 男性用ビジネスウェアを月額制で2年間、自分専用でレンタルできるサービスです。
春夏と秋冬の各シーズンに合わせてウェアを届けてくれ、衣替え、クリーニング、保管、返却までを一連のサービスとして提供しています。

「スキル」のシェア

空いた時間に家事や育児を手伝ったり、IT関連などの専門性の高い仕事を請け負うなど…自分が得意なこと、つまり自分の「スキル」を提供して利用してもらうサービスのことです。
スキルの提供者と利用者を結ぶプラットフォームを介して、副業やフリーランスなど、雇用によらない柔軟な働き方ができ、人のスキルを手軽に利用することができます。

プラットフォーム事業者は、ニーズのマッチングと、提供者と利用者の情報交換や、トラブルのない簡単な決済、レビューなどの評価の場を提供しています。
これらの機能により、個人の能力や提供可能な時間帯などの情報を、リアルタイムに不特定多数の方に共有することが可能になっています。

スキルを提供する側になれば、自分が得意なことや知識、経験を活かして収入を得られるので、育休中の女性やリタイアメント層も市場参加して、稼ぐことができます。
利用する側は比較的割安な価格で、家事や子育てを助けてもらえたり、学びの機会が得られたり、仕事の助けが得られたり…などの数々のメリットがあります。

具体的なサービス

Lancers(ランサーズ)

「仕事を依頼したい人」と「仕事を受注したい人」がネット上で出会える国内最大級のクラウドソーシングサービスです。
Web制作やデザイン、ライティングなど、多種多様な仕事がそんざいします。

AsMama(アズママ)

子どもの送迎や託児を顔見知り同士で助け合うアプリ「子育てシェア」を提供しているのがAsMama(アズママ)。
各地域の認定サポーター「ママサポ」を中心に交流イベントで事前につながりを作り、子育てをはじめとした地域の困り事を解決しようという取り組みを行っています。

「稼働」のシェア

大きく分けると、「ライドシェア(相乗り)」「カーシェア」「シェアサイクル」の3つがあります。
このうちライドシェアは、国内ではドライバーが有料で利用者を送り届ける、タクシー的な利用は制限されています。

一方、ドライバーと同じ方面や目的地に移動する人を、Webやスマホのアプリなどでマッチングさせる「相乗り」は認められているんです。
この場合、ドライバーは予め登録しておくことが必須で、ガソリン代・高速代などの実費は割り勘にできますが、それ以上の礼金を受け取ることはできません

会員登録することで、必要なときに必要なだけ車を利用できるカーシェアや、携帯電話会社などが運営する自転車のシェアサービスは各地でどんどん普及しています。
さらに、自分の車を貸したい人と借りたい人をマッチングする、個人間のカーシェアリングのプラットフォームも登場しているんです。

具体的なサービス

タイムズカーシェア

タイムズ24が運営しているサービス。
スマホで乗りたい車を簡単に検索でき、利用料金に対人補償・対物補償等が含まれるなどサポートも充実しています。

Anyca(エニカ)

DeNAが提供するサービス。
一般オーナーが所有する車をシェアできます。
幅広いバリエーションの車を選べ、ドライバーは東京海上日動の1日自動車保険に自動加入できます。

まとめ シェアリングサービスで、暮らしがもっと快適に!

今回紹介したサービスは、シェアリングサービスのほんの一部に過ぎません。
シェアリングエコノミー協会がサイト上に公開している「シェアリングエコノミー領域map」を見ると分かりやすいのですが、実はもっとたくさんのありとあらゆるサービスが存在しています。

時代の変化に伴い、豊かさの定義も変わっています。
必ずしも所有を求めない傾向へと価値観が変化しているので、シェアリングサービスはどんどん発展していく市場でしょうね。

今後あなたの生活もシェアリングサービスを利用すればかなり快適になると思いますし、さらにお金を増やせちゃうチャンスも訪れると思いますよ♪