事実婚を選択するカップルが増加中! 事実婚のメリット・デメリットとは

近年は法律婚ではなく、あえて事実婚を選択するカップルが増えています。事実婚を選ぶ理由はさまざまですが、法律婚の枠にとらわれない自立した女性が増えているのかもしれませんね。ただ、事実婚にはメリットも多いですが、デメリットを感じる面もあるようです。そこで今回は、事実婚のメリット・デメリットを紹介します。

  1. 事実婚
  2. メリット
  3. デメリット
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事実婚と法律婚の違いとは?

事実婚と法律婚の違いは、法的に認められた関係であるかどうかです。

事実婚は、実質的には夫婦関係にあるカップルが、法的に入籍していない状態のことを言います。
つまり、「婚姻届を役所に出していない」ということです。

事実婚と認められるための条件は、主に次の3つ。 ・「夫婦である」とお互い認識している
・共同生活を送っている
・社会的に夫婦と認められている

この条件に照らすと、内縁関係は事実婚である一方で、同棲は事実婚には該当しません。

なお、民法上も戸籍法上も、正式な婚姻関係と認められる夫婦については、「法律婚」と言います。

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事実婚なら夫婦別姓が可能

事実婚は、「法律上の手続きを取らない」という点が、メリットにもデメリットにもなります。
後悔することのないよう、事実婚の具体的なメリット・デメリットを見ていきましょう。
まずはメリットからです。

メリット①夫婦別姓が可能
事実婚なら、夫婦別姓が可能です。結婚しても、銀行口座や運転免許証、パスポートなどの名義変更をせずに済みます。
また、姓が変わらないので、職場に結婚を知らせる必要もありません。

メリット②関係が終わっても戸籍に影響しない
事実婚の場合、万が一2人の婚姻関係が終わっても、戸籍に影響しません。
そもそも法的な手続きをとっていないため、結婚前も後も、戸籍には何も記されないのです。
これが法律婚の場合は、法的手続きが必要となり、戸籍には離婚した旨が記されます。

メリット③関係はお互いの気持ち次第
事実婚は、お互いの気持ちのみで成り立っている関係です。
一緒にいることも離れることも自由なため、何かに束縛されることはありません。
「好き」の気持ちに、誠実に向き合えるのはメリットと言えます。
離婚にありがちな「法的手続きが面倒だから一緒にいる」というケースは、事実婚ではまれです。

メリット④相手の家族と距離を保てる
法律婚の場合、入籍すれば相手の親や兄弟、親族と姻族関係になります。
冠婚葬祭やお盆、正月などの親族の集まりに参加しなければならないこともあるでしょう。
中には、親族付き合いをわずらわしく思う人もいるかもしれません。
事実婚なら戸籍上は他人なので、親戚付き合いから距離を置ける点もメリットです。

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事実婚は結婚して得られる税のメリットが一切ない

メリットだけを見ると、「事実婚のほうが良いじゃん!」と思いがちですが、デメリットもあるので、よく確認しておいてください。

デメリット①2人で親権を持てない
事実婚では、子供の親権は原則として妻にあります。
子供が生まれると、その子は自動的に母親の戸籍に入ることとなり、2人で親権を持つことはできません。
夫が父親になるためには別途認知が必要で、これを放置してしまうと、子供の父親欄は空欄のままになってしまいます。
また、もしも将来、子供を父親姓に変えたい場合も、簡単ではありません。
家庭裁判所への申し出が必要となります。

デメリット②経済的な不利益がある
事実婚は法律上の夫婦ではないため、税金での配偶者控除や医療費控除が適用されません。
結婚して得られる税のメリットが一切ないため、共働きでない場合は法律婚を検討した方が経済的な負担が少なくなります。
また、事実婚は、法律婚のように自動的に相続権が付与されません。
お互いが遺産を相続するためには、法的効力のある遺言書を作成しておくことが必須です。

デメリット③家族関係を証明しにくい
事実婚には、戸籍のように家族関係を証明できる公的な書類がありません。
家族であるとの証明が必要な場合は、事実婚であることが分かる住民票、生命保険の証書、親族からの証言などが必要です。
法律婚のケースよりも手間が掛かり、賃貸契約や保険の契約等がスムーズにいかないケースが多いかもしれません。
また、パートナーが入院・手術が必要な場合でも、家族として同意書にサインすることができないことが多いのもデメリットです。

デメリット④もしもの時に困る
パートナーにもしものことがあった時、事実婚だとパートナーの口座に触れず、不動産についても相続権がありません。
2人の子供でも認知されていない場合は同様で、何も相続できないでしょう。

この他、「死後の葬儀・埋葬・納骨等」についても、事実婚のパートナーには何の権利もありません。
パートナーの最期に関わりたいなら、遺言書でその旨を指定しておく必要があります。

まとめ

2人の理想と今後の人生設計を話し合いましょう

近年は結婚のスタイルも多様化していて、法律にしばられない関係を選ぶ人も少なくありません。
気持ちだけでつながれる事実婚は自由度が高く、自立的な関係を望むカップルにはぴったりと言えるでしょう。

とはいえ事実婚は、法律婚と比較して、税金や相続の面でデメリットがあることも事実。

まずは2人の理想の生活や今後の人生設計について話し合い、事実婚で後悔しないかどうかをじっくり検討してくださいね。

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