しっかり確認してる? 大切な源泉徴収票は最初の1行だけチェックでOK!

会社勤めをしている人は、12月に会社から源泉徴収票をもらったと思います。でも、ただもらっただけで、しっかりと確認している人は少ないのでは? しかし、源泉徴収票は1年間の収入のまとめが記載されている大切なものなので、しっかり確認しておきたいところです。源泉徴収票を効率的に確認する方法を紹介します。

  1. 源泉徴収票
  2. チェック
  3. 項目
1

源泉徴収票は年末調整の結果票

そもそも源泉徴収票とは何でしょうか。
これは、言うなれば「年末調整の結果票」です。

勤務先から給与・賞与でいくら受け取り、いくらの所得税を払ったのかが分かるようになっているものです。

もしかすると、「年末調整の結果は12月の給与明細で分かる」と思う人もいるかもしれませんね。
これも間違いではありません

年末調整の結果、払い過ぎた税金があれば戻ってきますが、その金額は12月の給与明細に載ります。

年末調整は手間がかかりますが、これだけ戻ってきた、と思うと納得もしますし、嬉しいものです。

しかし、12月の給与明細で分かるのは、所得税の調整額のみです。
1年分の収入と所得税を把握するには、源泉徴収票をきちんと読むことが大切なのです。

また、源泉徴収票は住民税の計算のもとにもなります。
しっかり年末調整をしておくことで、所得税だけではなく、住民税にも影響が出ることも意識しておいてください。

2

あなたの年収=支払金額

源泉徴収票にはさまざまな記載があって混乱しがちですが、実は見るべきポイントは最初の1行だけです。

まずチェックするのは「支払金額」です。

支払金額とは、勤務先があなたに支払った金額の、1年間の合計です。
左隣の「種別」の欄に「給与・賞与」と記載されていると思います。
ここには昨年1~12月までの給与・賞与を合計した金額、いわゆる額面の年収が記載されています。
ただし、月15万円までの交通費は含まれません。

各種ローンやクレジットカードの申込時、賃貸マンションの入居時など、年収の記入が求められる機会は意外とあるものです。
記載する年収は「毎月給与として振り込まれる金額×12」ではありません。
これは、額面の給与から社会保険料などを差し引いた「振込金額」です。

年収を聞かれたら、支払金額にある金額を答えるのが正解です。
十分な年収があるほうが信用度は高くなり、有利になりますよ。
源泉徴収票の支払金額を確認して、間違わないようにしておきたいですね。

次に、支払金額の右側の欄、「給与所得控除後の金額」を見ます。
給与所得控除とは何かという説明の前に、収入と所得の違いについておさらいします。

収入は入ってくるお金、所得は収入から経費を差し引いた残りのお金です。そして、所得に対して所得税がかかります。

経費とは、収入を得るために必要な支出のことです。
商店であれば仕入れにお金がかかりますし、インターネットビジネスならパソコンが必要です。
そのため、税金の計算のもとになる所得は、これらの経費を収入から差し引いて計算します。

会社員でも同様に経費がかかりますが、個人ごとに計算はせず、一定の計算式で差し引く金額を算出します。
これを給与所得控除といいます。給与所得控除の金額は収入によって異なります。

つまり、給与所得控除後の金額とは、給与収入から経費=給与所得控除を差し引いた給与所得のことなのです。

3

年末調整で所得税も住民税もお得に

それでは、給与所得に所得税率をかけて、税額が計算されるのでしょうか。
実はそうではありません。
給与所得からさらに所得控除を差し引いた金額が、所得税の計算のもとになる、課税所得となります。

所得控除はいくらだったのかは、「所得控除の額の合計額」を見ると分かります。

所得控除は、基礎控除、配偶者控除、生命保険料控除、社会保険料控除など、全部で15種類あります。

給与所得控除後の金額=給与所得から、これら所得控除の額の合計額を差し引いて、課税所得が計算されます。

そして、ようやく課税所得に税率をかけて、源泉徴収税額が計算されます。
源泉徴収票の源泉徴収税額を見てみましょう。

所得税の税率は、超過累進税率といって、所得が多くなるにしたがって、段階的に高くなっています。
支払い能力に応じて、公平に税金を負担できる仕組みになっているです。

収入が多くても、差し引ける所得控除が多ければ、課税される所得金額=課税所得が少なくなり、税金が安くなります。
税率も小さくなります。
そして、源泉徴収票をもとに住民税も計算されます。

ですから、多少面倒でも、所得控除を申告できる年末調整はきちんとしたほうが、所得税も住民税もオトクになりますよ。

まとめ

しっかり保存しておきましょう

源泉徴収票には、1年間の収入、給与所得、所得税などが1枚にまとめられています。

会社員の皆さんは忙しい毎日を過ごしていると思いますが、源泉徴収票・給与明細はしっかり保存しておいてください。

慣れれば、それほど大きな手間ではありません。
しっかりと確認して、必要であれば確定申告をしましょう。

そうすることで、あなたの手取り収入が確実に増えますよ。