「酸化」だけでなく「糖化」にもご注意を! 美肌をキープする秘訣とは
最近、「お肌がくすむ」「透明感がない」と感じているなら、もしかしたら「糖化」が原因かもしれません。老化の原因と言うと、「酸化」をまず思い浮かべると思いますが、近年は身体の「糖化」も肌の老化につながると注目されています。肌の糖化とはどういった現象で、どのような影響があるのでしょうか? 今回は、糖化について紹介します。
糖化によって肌のくすみやたるみが起きる
糖化とは、体内で不要になった糖とタンパク質が結びつき、細胞などを老化させてしまう現象を指します。
糖化は「身体のコゲ」とも呼ばれ、AGEs(最終糖化産物)という強い毒性を持ち、老化を進める原因物質を作り出します。
このAGEsは、身体の中で分解されにくく、どこに蓄積されるかによって、症状が異なると言われています。
まず、肌に蓄積されてしまうと……
AGEsは、真皮層で肌のハリ、弾力、潤いを生み出すコラーゲンやエラスチンの働きを低下させると言われています。肌の弾力が失われ、肌のたるみやシワ、くすみの原因になります。
AGEsが増加した角層では、角層の肥厚や水分量の減少が顕著に表れると言われています。肌のごわつき、乾燥の原因になります。
続いて、血管に蓄積されてしまうと……
悪玉コレステロールであるLDL-Cは、通常白血球のマクロファージが分解してくれまが、AGEsが蓄積された状態になると、悪玉コレステロールを分解しきれなくなり、血管の内壁に蓄積してしまいます。動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞の原因になります。
その他、骨に蓄積されると「骨粗しょう症」の原因に、卵巣内に蓄積されると「不妊」の原因になるなど、AGEsが蓄積されると、身体のさまざまな部分に影響をおよぼしてしまいます。
その中でも、肌への影響が出やすいと言われており、肌のくすみや、たるみ、キメが乱れるなど、AGEsが蓄積されるとどんどん老化が進み、老け顔に見えてしまうというので、女性にとって「糖化」は無視できません。
揚げ物や加工食品はAGEsが多い傾向に
糖化には、大きく分けて2つの原因があります。
糖化反応を促進させる大きな原因の1つが高血糖と言われています。
高血糖状態が続くと、タンパク質と糖が結びつきやすくなり、AGEsが発生する可能性が高くなると言われています。
早食い、甘い砂糖入りのジュースやコーヒーをよく飲む、炭水化物を摂取しすぎるなどの食生活は、血糖値が上がりやすいと言われていますので、思い当たる方は食生活を改善するよう心がけましょう。
次に、AGEsは身体の中で作られる以外にも、食生活によって大量に摂取していると言われています。
特に、タンパク質と糖質を同時に加熱すると、メイラード反応(食材を加熱すると褐色になる現象)が起こり、AGEsを大量に発生させてしまします。
調理方法でいうと、火を通さない食べ方が一番AGEsが少なく、揚げ物になるとAGEsが多くなる傾向にあります。
また、加工食品はAGEsが多い傾向にあるので、気を付けたい食品です。
低GI値食品を積極的に摂取しましょう
それでは、糖化を予防するには、どのようにしたら良いのでしょうか?
糖化を予防するには、まずは血糖値を急激に上昇させない食生活が大切です。
そこで注目したいのが、「GI値」といって、血糖値上昇の割合を数値化した値です。
このGI値が低いほど血糖値が上がりにくく、高いほど血糖値が上昇しやすいことを意味します。
・主食(パン、白米、餅、うどん他)
・野菜(じゃがいも等のイモ類、ニンジン他)
・菓子類(ドーナッツ、チョコレート、キャンディー他)
・炭水化物(玄米、そば他)
・野菜(キャベツ、レタス葉物野菜、キュウリ、ナス、大根他)
・肉、魚介類(牛、豚、鶏などの肉類、マグロ、カツオ、サバなどの魚他)
・果物(りんご、みかん、イチゴ他)
その他、豆腐や海藻、ナッツなどもGI値が低い食品ですので、バランス良く取り入れてみてください。
次に、調理方法を工夫することが大切です。
AGEsは調理方法で変わってきます。
AGEsが低い順から並べると、「生」→「蒸す・ゆでる」→「炒める」→「焼く」→「揚げる」の順にAGEsが増加します。
また、電子レンジで10分以上の調理もAGEsを増加させるので、注意が必要です。
AGEsを調理方法だけで完全に除去することは難しいですが、揚げ物を2度揚げしない、焦げ目は出来るだけつけない、揚げ物を食べた次の日はヘルシーな食事を心がけるなど、無理のない程度に心がけてみてください。
まとめ
糖化予防を心がけた生活で美肌に
糖化について、解説しました。
美しい肌をキープするためにも、毎日の生活で糖化予防を心がけたいですね。
バランスの良い食生活を送る、野菜をたっぷり食べる、血糖値の上昇に気をつけるといったことは、糖化を防ぐだけでなく、健康的な身体づくりにも欠かせません。
食生活を少し改善するだけで、身体も健康になって、肌も美しくなるなら、とっても嬉しいですよね!