深い悲しみの中にいるあなたへ。「悲しみの5段階」と「グリーフケア」
みなさんは「グリーフケア」という言葉を聞いたことがありますか?これはもともと、愛する人との永遠の別れ…つまり、家族や恋人との死別を経験した人たちに向けたケアの仕方です。ですが、最近では目的も様々になって、愛する人だけではなくモノやコト、ペット、そして死別ではなく、失恋にもグリーフケアは有効だと考えられています。そこで今回は、深い悲しみの中にいる方を少しでも救うために、グリーフケアについてお話をしたいと思います。ぜひご一読ください。
「グリーフケア」って何?
「grief(グリーフ)」とは、死別などによる深い悲しみや悲痛を意味する言葉です。その悲しみを「care(世話)」することから、遺族ケアや悲嘆ケアともいわれます。グリーフケアには、大切な人を失って深い悲しみを抱える人に寄り添い支えて、立ち直ることができるようにサポートする、という意味があります。
通常、傷ついた心は時間をかけ、5つの段階を踏みながら徐々に回復していきますが、あまりに悲しみが深いと立ち直れなかったり、立ち直るまでにかなりの時間がかかったりする場合もあります。特に、家族や地域社会など人とのかかわりが少なくなっている現代では、悲しみを1人で抱え込んでしまう人も増えています。そんな背景から、各地の医療機関や市民グループなどがグリーフケアに積極的に取り組んでいます。
「悲しみの5段階」って何?
次に、先ほど説明したグリーフケアで言われる「悲嘆の5段階」についてお話します。
第1段階:否認
悲しみを否定し、受け入れないという心の動きがあります。
第2段階:怒り
「どうして自分だけがこんな目に合うのか」という気持ちになります。他人や自分、運命に対して怒りがこみ上げてきます。
第3段階:取り引き
取引とは「何とかしたい!」と、奇跡が起こるのを待ったり、神仏にすがったり、善行を行ったりします。
第4段階:抑うつ
何をしても現実から逃れられないと感じ、希望をなくし、抑うつ状態に入ります。楽しいと思えない、集中することができないといった時期が続きます。
第5段階:受容
悲しみを感じながらも、最終的には受け入れていきます。そして、次第に日常生活ができるようになっていきます。
悲しみにはこんな風にプロセスがあるのです、だから今まさに「否認」や「怒り」の段階にあるあなたも安心してください。それは心が立ち直ろうと頑張っている最中です。泣きたい時は思いっきり泣いて、怒りたい時は怒って下さい。それも悲しみを癒すために出来ることの一つなのですよ!
グリーフレターをやってみよう!
とは言え、この悲しい気持ちをどうにかしたい…、何とか少しでも早く立ち直る方法は無いの?という方も多いと思います。そんなあなたに「グリーフレター」というものをご紹介します。グリーフレターは本来は大勢で一緒にやるものですが、一人で行うこともできます。
「グリーフレター」は自分が失ったものに宛てた手紙です。失恋の場合は元カレに宛てた手紙となります。内容は以下のようです。
「○○へ。私は○○を失いました。○○を失ってとても悲しい気持ちです。もしも○○に会えたなら、△△をしたいです。でもそれはもうできません。なので○○にしっかりとお別れを言います。さようなら」
書きたいことはたくさんあるでしょうが、ひとまずこれだけを書いてください。そして書き終えたらそれをしっかりと読み返し、心の中で「この悲しみは、捨ててしまいます」と唱えて破って捨てましょう。
たったこれだけです。簡単にできるので、ぜひお試しあれ!
まとめ
ゆっくり自分のペースで5つのステップを踏もう
いかがでしたでしょうか?今回お話ししたように、悲しみには5つの段階があります。この5段階をちゃんと踏ませてあげることが、まずは一番大切です。グリーフレターは、その手助けをしてくれます。無理に元気になろうとしなくていいんです。あなただけではありません。みんなが経験するのだから、安心してゆっくりあなたのペースでこの5つのステップを踏んでいってくださいね!