「共依存恋愛」に幸せな未来はある?共依存カップルの原因と克服法

ちゃんと付き合っているのに不安ばかりで苦しかったり、お互い大好きなのにいっつもケンカばかり…このような方はいませんか?もちろん、恋愛は楽しいことばかりではありません。しかし、あなた自身が「何かおかしいのでは…?」と感じたことがあるのなら、その背景には“共依存”があるのかもしれません。恋愛の悩みの種となることも多い、この共依存とはいったいどのようなことなのでしょうか?今回は、共依存恋愛について深堀りしたいと思います。併せて、共依存から抜け出す方法もお教えしますので、ぜひご一読ください!

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そもそも“共依存”って何?

共依存とは、自己否定感や相手に見捨てられる不安などが、人間関係や行動に影響を与えている状態を言います。共依存になる原因には、何らかの問題を抱えて心理的に不安定な身近な人(家族、配偶者、恋人)の存在があります。親の過度な干渉や無関心、パートナーのDVやモラハラなども、心に問題を抱えているケースの一例になります。

常に怒りや悲しみ、不安に振り回されている身近な人がいる場合、自分も感情や行動に大きな影響を受けてしまいます。身近な人となんとかうまくやろうと努力した結果、本来の健康な自分をなくしてしまうのが共依存です。

共依存の背景には、大きな不安にさらされた経験があります。たとえ家庭に問題を抱えた人がいなくても、子どもが健康に成長する大切な要素が欠けた環境で育つと、成長してから共依存の課題を抱えることも多いのです。子どもの頃の親子関係が原因となったものを“一次共依存”、配偶者や恋人などが原因のものは“二次共依存”と言うことがあります。

身近な人を理解し関係をうまくいかせようとして、彼らと同じような心理状態に陥ってしまい、結果として問題を抱えた人に似た不健全な生き方になってしまうことがあるので、共依存関係は注意が必要です!

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恋愛における共依存とは?

共依存は家族や友人など、さまざまな関係で発生しますが、恋人同士や夫婦にも起こります。共依存恋愛には、以下のような特徴があります。

・相手にしがみつく
・自分に欠けているものを恋愛対象で埋めようとする
・自己肯定感が低いため、常に捨てられる不安が大きい
・ささいなことなのに重大なことと受け止め、大きく反応してしまう
・相手のために自分を犠牲にしてでも尽くしてしまう
・相手が自分を幸せにする唯一の人間だと思い、過度の期待をする
・相手を失ったら、もう自分は生きていけないのではないかと思ってしまう

共依存恋愛では、相手が不幸な自分を幸せにしてくれる人、救済してくれる人だと感じてしまいます。相手の価値観に従わないと救済者を失ってしまうと思い、常に相手の顔色をうかがい、その言動に振り回されることになります。もし、相手を失ったら自分の世界も終わってしまう…、このように不安定な世界に生きる感覚を持ってしまうのです。

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共依存になってしまう原因

では、共依存になってしまうのはなぜでしょうか?原因を探っていきましょう!

①家族に何か問題を抱えた人がいる
前述のように、身近な家族に何らかの問題を抱え、常に心理的に不安定な人がいる場合、子どもや配偶者が共依存症になることがあります。

②子どもの成長に必要な環境が十分でなかった
食べ物、衣服、住まい、医療など、生存のために欠かせない環境が十分でなかったとき、感じていた大きな不安が原因となることがあります。

③無条件の愛が得られなかった
子ども時代に養育者に無条件に愛された経験がないと、共依存症になることがあります。無条件の愛とは、男の子であれ女の子であれ、学校の成績が良かろうが悪かろうが、関係なく愛されることです。間違ったことをして叱られても、それとは関係なく愛している、というメッセージがもらえることです。

④家庭の中に安心感がなかった
家庭では食事、テレビを見る、話す、お風呂、寝る、触れ合うなど、さまざまなことが行われます。何気ない日常に見えますが、こうしたことは家庭に安心感がなければできません。子どもの頃、育った家庭の中に安心感がなかった場合、長期間にわたって直面していた不安が共依存症を引き起こすことがあります。

⑤家族の中に社会人として健全なロールモデルがいない
人生を真面目に生きようとする、健全なモデルが家族にいない場合です。問題から逃げたり、反社会的な言動をしたりする家族の下では、確固たる価値観を築きにくくなります。

⑥家庭では自由に意見を言えなかった
強い人が家族を支配し、家族一人一人が尊重されず、自由に意見を言えないような家庭で育つ子どもは、自己肯定感や自己効力感が育ちにくく、共依存症になりがちです。

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共依存カップルの特徴

共依存カップルは、恋愛依存症と回避依存症がベースになっています。恋愛依存症は、恋愛感情を持っている相手がいるときに充実感を感じ、恋愛をしていないと空虚で満たされないタイプです。回避依存症とは、他人と深い人間関係を築くことが苦手で、相手を愛していても縛られる息苦しさで自分の方から離れてしまうタイプです。共依存カップルには、大きく分けて以下の3つのタイプがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう!

・「恋愛依存症者同士」の恋愛関係

ふたりの関係の中には、誰も入れようとはせず、いつも一緒、何でも一緒。まさに密着型の恋愛関係です。このようなふたりの場合、密着して相手を束縛するので、お互いの交友関係がおろそかになり、孤立することがあります。互いに見捨てられるという不安が強くあるため、ケンカをすると過剰な反応をしてしまい、暴言や暴力に発展してしまうこともあります。

ふたりだけの世界で満足してしまうため、病や事故などで相手を急に失うと、後の人生が孤独と絶望感に満ちてしまうという特徴があります。

・「回避依存症者」と「恋愛依存症者」との恋愛関係

こちらは、密着すると息苦しくなる人と、恋愛にのめり込む人の関係です。恋愛依存症者はいつでもべったりしていたい傾向にあります。付き合っているうちに、回避依存症者は密着した関係に息苦しさを感じ、逃げてしまいます。すると恋愛依存症者は必死で相手を追い掛けます。

回避依存症者は逃げてすっきりしていると思いきや、逃げた先で相手のことが気になってしまいます。縛られるのは嫌でも、寂しいのも嫌というのが回避依存症者の特徴です。そこでよりを戻したとしても、また息苦しくなり逃げてしまうのです。

・「回避依存症者同士」の恋愛関係

回避依存症者同士は付かず離れず、時々会って関係を持ち、また離れては時々会う…という関係です。それぞれ別の場所に、別な相手との恋愛関係を持っていることもよくあります。ドライで割り切った大人の関係に見えますが、当人同士は孤独から逃れられるわけではなく、常に寂しさを抱えているという特徴があります。

3つのうちどのタイプであっても、共依存に陥っている恋愛では、幸福よりも不安を感じるときの方が多いでしょう。長く続く信頼関係では、お互いの存在や価値観を尊重し、どんなときもお互いをサポートし合うものです。一緒にいない時間があっても、信頼関係があれば不安になることは少ないでしょう。お互いのエネルギーを奪い合う共依存恋愛から脱することで、ふたりの関係はより深く安定したものになっていきます◎

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共依存恋愛から抜け出す方法

では、共依存恋愛を克服するには、どうしたらよいのでしょうか?それには自分自身を客観的に見つめ、子どもの頃に蓋をしてしまった感情を再確認する必要があります!

①自分の生い立ちを振り返る
子どもの頃に感じていたことや、自分の生い立ちを振り返ってみましょう!両親、兄弟、家、学校などがどうだったか、どう感じていたのか…。頭の中で確認するだけではなく、家族や家庭環境など、子どもの頃のことをノートに書き出してみるのがおすすめです◎

②自分の生い立ちの中で何があり、何がなかったのか確認する
子どもが健全に育つためには、食べ物、衣服、住まい、医療のほかに、安心を感じる家庭環境や無条件の愛、健全な価値観を教えられること、家族間の互いの尊重などが必要です。自分には何があり、何がなかったのかを客観的に確認してみてください。小さい頃、不安や悲しさでなかったことにしていた「喪失感」を認めることで、共依存になった背景が見えてくるかもしれませんよ!

③グリーフ・ワークを活用する
“グリーフ・ワーク”は、身近な人が亡くなったときの喪失感を癒やす手法です。「ありがとう」や「ごめんなさい」を、手紙に書いたり誰かに話したりすることで、相手との関係を整理します。共依存の克服にも、この作業が役立つでしょう。子どもの頃に感じていた不安や悲しみを、グリーフ・ワークで確認していきます。言いたいけど言えなかったこと、本当はこうしたかったこと、当時の怒りや悲しみなどを、親に宛てた手紙として書いてみたり、否定や批判をされることがない信頼できる人に話したりしてみましょう!

④同じような成育歴を持つ仲間とつながる
共依存に悩む人たちの間には、さまざまな問題を抱えた人が自主的に集まる、自助グループがあります。ほかの人には話しにくい家族の問題でも、同じような体験をした人には共感してもらえるでしょう◎自分だけではないという実感は、共依存を克服する力になります!

⑤現実をしっかり見つめ、現実を生きる
恋愛関係に夢や理想を求めすぎるのではなく、現実をしっかり見つめて、現実を生きましょう!時々少し立ち止まって、お互いの人間性や抱えている事情を客観的に見直してみてください。相手と自分の現実をしっかりつかんだ上で、人生の中で恋愛とは何かを考えることが、共依存ではないお互いを尊重し成長し合える健全な恋愛関係につながりますよ♪

テーマが深い分、自分だけで進めるのは難しいかもしれません。自分だけで進めるのが難しいと感じる場合は、専門家の力を借りてもよいでしょう◎

まとめ

自分自身を客観的に見つめ直してみよう!

いかがでしたか?みんな誰しも多かれ少なかれ、子どもの頃にどこかで寂しさを感じた経験があると思います。普段は蓋をしているそうした心の奥の傷が、恋愛関係など、直面している問題の原因になっている可能性があります。大人になった今なら、寂しかった子どもの頃の自分を認めてあげることができるかもしれません。共依存の悩みを解決する第一歩につながるので、この機会にぜひ、自分を見つめ直してみてくださいね!

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