美しさはいつまでも ~プリザーブドフラワーの作り方~

お祝いや記念日、門出の日の贈り物と言えば花束が定番です。特に女性は一生のうち、何度も花をプレゼントされる機会があると思います。「大切な人からもらったお花だから」とドライフラワーにした経験がある人も多いでしょう。でも出来るものなら、花本来の色や形のまま、保存しておけたらもっといいと思いませんか?それが出来るのが、「プリザーブドフラワー」です。

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枯れない花、プリザーブドフラワーとは?

もらった時は花も元気で、とてもきれいですが、家で花瓶に入れて楽しもうとしても、あまり長く持ちません。
「儚いからこそ、美しい」と考える人もいるかもしれませんが、きれいな花を長く楽しめる方法があるなら、それに越したことはありません。
実は、その方法があります。それがプリザーブドフラワーです。

ドライフラワーとプリザーブドフラワーの違い

ドライフラワーは生花を乾燥させたものです。
水分をほとんど抜いてしまうため、花や葉はパリパリの状態で、強く触ると壊れてしまいます。

プリザーブドフラワーは、新鮮な生花から水分を抜き、代わりにプリザーブド液を花に吸わせます。
このプリザーブド液が保湿成分と色素を含んでいるので、生花のような鮮やかな見た目と柔らかさを長い時間楽しむことが出来ます

プリザーブドフラワーの魅力

お手入れ方法は湿度の管理と埃を掃うことぐらいで、水やりの必要はありません
お手入れが簡単なのも、プリザーブドフラワーのメリットです。

長期間にわたって、生花のような美しさを保つことが出来る為、ブーケやアレンジメントに人気があります。
また、特別な染料を使うため、青や黒いバラなど天然では存在しないような色合いの花を楽しむことが出来ます。

プリザーブドフラワーの簡単な作り方

作ってみたいと思っても、実際作るとなると難しそうと思ってはいませんか?
実は、プリザーブドフラワーは自宅でも簡単に作ることが出来るんです。

<はじめに用意するもの>

花用のはさみ

花の茎を切ったり、枝葉を切って形を整えたりするために使います。
自宅にある一般的なはさみでも代用出来ますが、アレンジメントもしたいというのであれば、1つ持っておくと良いでしょう。

ピンセット

花を溶液に浸すときや花びらの位置調節など、細かい作業をする時に必要になります。

密閉できる容器

花を溶液に浸けておく時に必要です。
花の大きさに合わせていくつかあると便利です。
100円ショップで売っている蓋つきのものでOKです。

アルミホイル

花を溶液に浸す時、花が水面に浮いてこないようにアルミホイルで落とし蓋をします。

ゴム手袋

アルコールを扱うので、手が荒れないようにゴム手袋を用意しておくと良いです。

新聞紙・キッチンペーパー

溶液が飛び散っても大丈夫なように敷いておく新聞紙や、水分を取る為のキッチンペーパーも用意しておくと便利です。

<材料>

消毒用エタノール

花の脱水、脱色用に使います。
「プリザーブドフラワーA液」として市販されているものもありますが、薬局やドラックストアで簡単に手に入る消毒用エタノールでも代用可能です。

精製グリセリン

インクに混ぜて使うことで、生花のような質感を保つことが出来ます。
こちらも「プリザーブドフラワーB液」として販売されているものがありますが、消毒用エタノール同様、薬局やドラックストアで購入できます
市販のB液は、濃い色調で色が定着しやすい「溶剤」と、色合いが淡く自然な仕上がりになる「水性」のものがあるので、様々な色を好みで使い分けてみてください。

インク

花を着色するために使います。
文房具店で購入できる万年筆用の補充インクまたは、プリンター用のインクで代用できます。
絵の具は使えないので注意してください。

乾燥剤(シリカゲルなど)

花を乾燥させて仕上げる時に、容器に一緒に入れて使います。
プリザーブドフラワー専用のものも売っていますが、お菓子に入っているシリカゲルでも充分に代用可能です。

一個一個探すのが面倒くさいというのであれば、必要な材料が全部揃った、手作り専用のキットなども売られているので、そちらを利用すると良いでしょう。

<プリザーブドフラワーの作り方>

ここでは、市販液を使わない場合(消毒用エタノールと精製グリセリンを使用した場合)の作り方を説明します。

①水切り

アレンジしやすいように、茎を2~3㎝の長さに切ります。
このとき、茎がつぶれないように断面を斜めに切って、水を吸う面が広くなるようにしましょう。
切ったら水に挿し、30分ほど置いておきます

【ポイント1】 水切りをしっかり行うことで、仕上がりが美しくなる。
【ポイント2】 溶液を吸い上げる時、花自身の力が必要なので、花が元気な状態で加工しましょう。

②脱水・脱色

消毒用エタノールを容器に入れ、花全体をしっかりと浸します。
花が浮いてきてしまう場合、アルミホイルで落とし蓋をし、さらに容器のふたも閉めて、1日以上放置します

生花には、ポリフェノールやセルロースといった成分が含まれています。
この成分が残っていると、花が変色してしまったり、枯れてしまう恐れがある為、脱水・脱色の工程で成分を抽出しておく必要があります
そうすることで、美しさを長く保てるようになるのです。

【ポイント3】 プリザーブドフラワーを着色せずに仕上げる場合も、この作業は必要です。

着色

グリセリンと水を2:1で混ぜ、そこにインクを数滴入れて着色用の溶液を作ります。
脱水・脱色した花の茎を着色用の溶液に挿します。
直射日光の当たらない場所に置き、自分の好みの色の濃さになるまで様子を見ながら、1日ほど置いておきます

【ポイント4】 溶液の温度を電子レンジで35℃ぐらいに温めておくことで、花が溶液を全体に吸い上げやすくなる為、仕上がりがきれいになります。

④乾燥

着色できた花を溶液から出し、キッチンペーパーなどで水気を優しく拭き取ります。
水気を拭きとったら、乾燥剤を入れた容器に移し、2日ほど日陰において乾燥させれば完成です。

この時、時短だからといって、ドライヤーを使って熱風を当てると花がダメージを受けてしまうので、ドライヤーの使用は避けましょう。
自然乾燥も出来ますが、完全に乾くまでに時間がかかる上に、色素の変化や花の劣化が 進んでしまうので、あまりおすすめできません。

【ポイント5】 乾燥剤で一気に乾燥させることが、花本来の美しさを保つのに最も適した方法です。

プリザーブドフラワー作りには、新鮮でしっかりした花を使用します。
特に初めての方は、花弁が散りにくく、しっかりとした厚みのあるものが良いでしょう。
バラ、ガーベラ、カーネーションなどがおすすめです。

さらに初めは大きい花よりも小さめの花を選ぶ方が良いです。
慣れてきたら、大きな花にも挑戦できると思います。

きれいに仕上げるためにも、最初から最後まで花の扱いには注意を払って、丁寧に行いましょう。

通販で買えるプリザーブドフラワー

プリザーブドフラワーのフォトフレーム

思い出の写真と一緒にプリザーブドフラワーを楽しめます。
贈り物をする時には、写真を入れてプレゼントしたらより一層、喜ばれそうですね。

プリザーブドフラワーの壁掛けフレーム

お部屋のインテリアとして取り入れれば、お部屋が明るくなって気分も華やかになりそうです。
フレームから飛び出してくるような、立体感のあるお花のデザインがまた素敵ですね。

プリザーブドフラワーボックス

箱を開けたら溢れんばかりの花が出てきたらどうですか?
箱の中に敷き詰められたプリザーブドフラワーはとても豪華ですね。
開けた時に「わぁー、すごい」と思わず声を出してしまいそうな、サプライズ感が素敵です。
誕生日や記念日の贈り物にピッタリだと思います。

プリザーブドフラワージュエリーケース

腕いっぱいの花束も素敵ですが、一輪の花もまた魅力的ですよね。
ジュエリーケースのような煌びやかなケースに、一輪のプリザーブドフラワーが入ったものもあるんです。
実際に存在しない色をプリザーブドフラワーでは表現できるので、見たことのない素敵な色の花が入っていたら、ロマンチックで素敵です。

まとめ 枯れない花と一緒に生活してみませんか?

1つでも花があると、お家の中がパーッと明るくなります。
「花はすぐに枯れてしまうから…」と今まで敬遠していた方も、プリザーブドフラワーだったら大丈夫です!

一家に1つ、プリザーブドフラワーを置いてみてはいかがですか?
皆さんもぜひ、こんなに魅力的なプリザーブドフラワーを楽しんでみてください。