子供1人を育てるのに3,000万円かかるってホント?~幼稚園から大学までにかかる子供の教育費~

「子ども1人を育てるのにウン百万円、ウン千万円…」といったデータを見ることがありますよね。このような大きな額を見ると、「子どもなんて育てられないよ…」「1人はなんとかなっても2人は無理かな…」といった話になってしまいます。確かに、子どもを育てるのにお金は必要です。でも、そんなに大変なものなのでしょうか?多くの人は親に育ててもらっているはずです。ということは、できないことではないのでは?全くお金がない状態で子育てをしようというのは無謀な話ですが、必要なお金をしっかりと確認しておけば大丈夫だと思います。そこで今回は、結婚や出産を考える時に確認しておきたい「子ども1人にかかる教育費」について説明していきましょう。

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幼稚園~高校までの教育費

①幼稚園教育費

幼稚園で必要になる教育費は、公立幼稚園で約22万円、私立幼稚園で約52万円となっています。私立の方の学校教育費が高額になっていますが、2019年秋から始まった「幼保無償化」によって、この差は少なくなる見込みのため、幼稚園は年間23万円程度。3年間通ったとすると70万円ほどになります。

②小学校教育費

小学校になると、公立と私立の差が大きくなります。公立では年間約32万円。そのうち21万円ほどが学習外活動費。月額1万8000円相当が塾やお稽古事に使われているようです。私立になると一気に負担が増え、年間約159万円にもなります。私立の小学校に進学させるのは、かなりの負担を覚悟しないといけません。小学校6年間でかかる教育費の平均は、公立で約192万円、私立で約959万円程度となりました。

③中学校教育費

中学にあがると、1年間にかかる教育費の平均は公立約48万円、私立140万円程度となります。公立と私立で学習塾など学校外活動費の差は大きくありませんが、なんといっても学校に納める学校教育費が大きく変わってきます。中学校3年間での教育費は、公立146万円、私立421万円ほどになります。

④高校教育費

高校になると、3年間の教育費は公立で137万円、私立で290万円となります。ここで注意したいのが、学校外活動費。1年間で公立17万円、私立25万円ほどですが、大学に一般受検で進学する場合には、この金額では収まらない場合が多くあります。大学の一般受検を考えるなら、最低でもプラス50万円程度はみておいた方がよいでしょう。

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大学4年間の学費

<私立大学>

  • 文科系…授業料:785,581円/入学金:229,997円/施設設備費:151,344円/計:1,166,922円
  • 理科系…授業料:1,105,616円/入学金:254,309円/施設設備費:185,038円/計:1,544,962円
  • 医歯系…授業料:2,867,802円/入学金:1,073,083円/施設設備費:881,509円/計:4,822,395円
  • その他…授業料:958,445円/入学金:258,747円/施設設備費:234,644円/計:1,451,836円

<国公立大学>

  • 授業料:535,800円/入学金:282,000円/施設設備費:-/計:817,800円

上記が私立大学、国公立大学別に入学初年度にかかるお金の平均です。2年目以降もこの授業料と施設維持費を支払うとすると、4年間で納付する金額は国公立大学で242万円程度なのに対して、私立文系で397万円、私立理系で541万円程度。進学する大学によって大きな差がでてきますね。さらに、大学理系は学部4年プラス大学院修士2年の進学が多くなっています。となると、私立理系6年進学では799万円ということになります。また、自宅通学や下宿かによっても変わってきます。学生生活実態調査によると、下宿生への仕送りの平均は月額7万2810円となっています。この下宿費用、単純に4年間ではおよそ350万円、6年では524万円にもなります。下宿生となると、更に負担が増えそうです。

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子どもにかかる教育費は合計780万~3000万円?!

教育費の合計を2パターンでみてみましょう。

①幼稚園、小学校から高校全て公立、国公立大学4年間

合計787万円(幼稚園70万円、小学校192万円、中学校146万円、高校137万円、大学242万円)

②幼稚園、小学校から高校全て私立、私立大学理系6年間

合計2539万円(幼稚園70万円、小学校959万円、中学校421万円、高校290万円、大学799万円)

①は、大学進学までの最安値パターンで787万円でした。それに対して②は、オール私立に私立大学理系6年パターンで一番高額パターン(私立医歯系除く)と考えられ、2539万円となりました。更に下宿となり仕送り6年分524万円が加算されるとなると、3063万円となります。

まとめ

特別に必要な教育費だけ、早め早めの準備を!

いかがでしたでしょうか?子どもにかかるお金は長期間にわたって必要となります。一時に現金で何千万も必要になるというわけではありません。一度に大きなお金が必要になるのは大学進学の時でしょう。大学進学を考える場合は、子どもが小さい時から準備しておくことが大切です。また、家計の状況に合わせて公立や私立の学校を選ぶというのも重要でしょう。高校までの子育て費用は、普段の家計の範囲内で考えればOK。お稽古事や塾の費用などは、普段の家計のやりくりの範囲ですませる努力でやるのがベストです。また、今回紹介した金額は、あくまでも「平均」ということも忘れずに!決して、これらのお金がないと子どもを育てることができないというものでもありません。子どもにかかるお金は長期間にわたって少しずつ負担するお金なので、計画的に備えて、子どもの成長を楽しみましょう♪