再就職のメリット!“再就職手当”とは?

みなさんは「再就職手当」というものを知っていますか? 会社を辞めたときに、雇用保険からの失業給付があるのは知っている人が多いのではないでしょうか。それとは別なのですが、失業した人が再就職することで、雇用保険から手当をもらえることがあるんです。しかし、再就職したからといって、全員が全員もらえるわけではないので要注意。給付を受けるには、条件を満たすことが必要なんです!そこで今回は、雇用保険の再就職手当とは何かということから、どのような人がもらえるのか、いくらぐらいもらえるのかを、詳しく説明していこうと思います。知っていて損はない情報なので、ぜひ見ていってくださいね!

  1. 就職
  2. 再就職手当
  3. お金
  4. 仕事
1

再就職手当ってなに?

「再就職手当」が何か分からないという方のために、まずは、再就職手当とはどんなものなのかということからお話ししたいと思います。再就職手当とは、簡単に言うと、雇用保険から支給される手当のひとつです。早期の再就職を促進することを目的としています。

雇用保険に加入している人が失業した場合、もちろん、いくつかの要件を満たすことが必要ですが、通常は失業保険が支給されますよね。この基本給付(失業保険)は、年齢や失業した理由、雇用保険に加入していた期間によって、もらえる日数が90~360日までの間と決まっているんです。

本来、この基本給付は、次の就職先を見つける間のつなぎの生活費として支給されるものです。そもそも就職する意思や能力があるにもかかわらず失業し、途絶えてしまった収入を補うための措置なので、できれば本人も再就職して、きちんと給料をもらえるほうが良いですよね。

一方、それまでの給料よりは金額が下がったとしても、基本手当がもらえることで安心してしまい、結果、再就職が遅くなってしまうこともよくある話です。さらに、再就職先はしっかり選びたい、時間がかかっても仕方ないと思う人も多く、他にも、せっかくならもらえる日数分、全部もらっておきたいと考える方も。2度目以降の就職ですから、納得がいくまでじっくり選びたいという人も多くいるようですが、それでも求職活動へのモチベーションが低下するケースもあります。そこで、もらえるべき基本手当をもらい始める前や、もらっている途中でも、定められた条件を満たして再就職すれば、まだもらっていない基本手当のいくらかを一時金として支給してくれるというのが「再就職手当」なのです。

2

再就職手当はどんな人がもらえるの?

再就職手当をもらうためには、以下の8つの条件をすべて満たす必要があります。どのような条件があるか知っておくと良いでしょう。

①7日間の待機期間満了後の再就職であること

失業してすぐにハローワークで手続きしたとしても、基本手当が支給されるまでは7日間の待機期間があります。この7日の間に、就職または自営業を開始した場合には、再就職手当を受け取ることはできません。

②基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上

年齢や失業の理由等によって、基本手当をもらえる日数はそれぞれですが、再就職時点でまだもらっていないか、1/3分以上残っていなければいけません。たとえば、所定給付日数が90日分の人のケースでは、まだもらっていない期間として30日分以上残っていることが必要となります。

③出戻り再就職でないこと

以前働いていた会社への再就職では支給されません。もっと言えば、事業所自体は違っても、その会社と資本金・資金・人事・取引面で密接な関わりがある会社(たとえば子会社など)への再就職でも支給されねい可能性が高いです。

④ハローワークや人材紹介会社の紹介による再就職である

受給資格決定日から待機期間満了後の1ヶ月間内に再就職する場合、ハローワークや人材紹介会社の紹介で見つけた仕事でなければ、再就職手当はもらえません。しかしながら、1ヶ月経過後は再就職先を見つける方法は何でもOK。

⑤1年超えて勤務することが確実であること

再就職先での雇用契約が1年以下の場合には再就職手当はもらえません。たとえば、派遣などで契約期間が1年以下となっていても、更新する見込みがあれば支給対象となりますが、更新が見込まれない場合には支給されないので注意が必要です。

⑥原則、雇用保険の被保険者となっている

実は、再就職手当は会社への再就職ではなくても、自営・起業などの場合でも受給可能となっています。この場合は雇用保険には加入できませんが、それ以外では再就職先で雇用保険に加入する必要があります。

⑦過去3年以内に再就職手当をもらっていない

過去3年以内に常用就職支度手当の支給を受けた場合も、再就職手当はもらえません。

⑧求職申し込み前から採用が内定していた会社への再就職でないこと

受給資格決定(求職の申込み)前から次の就職先への採用が内定していたという場合にも再就職手当はもらえません。

3

再就職手当はいくらぐらいもらえるの?

再就職手当をもらえることができれば、もらえるはずだった基本手当がもらえなくなって損することはなくなると思いますが、もらえるはずだった分すべてが支給されるという訳ではありません。再就職手当としてもらえる金額の計算方法もお教えします。次の計算式に当てはめて計算してみてください。

(再就職手当の額)=(支給残日数)×(基本手当日額)×(給付率)

給付率はというと…
所定給付日数の3分の1以上の支給日数を残して就職した場合は、60%となります。
所定給付日数の3分の2以上の支給日数を残して就職した場合は、70%となります。

仮に所定給付日数が90日の人が、自己都合退職のため3カ月の給付制限期間中に再就職した場合、給付残日数は90日(3分の2以上)となります。仮に、基本手当の日額が4,000円だとして上の計算式に当てはめてみると…

(90日)×(4,000円)×(70%)=(25万2,000円)

基本手当はもらえなくはなりますが、再就職手当として一時金で25万2,000円支給されることになります。もし、自己都合で退職をした場合は、給付制限があるため、3ヶ月程度は無収入となってしまいます。なので、この間に再就職ができれば、お給料をもらえるようにもなって、再就職手当ももらえるので家計がかなり助かるでしょう。

まとめ

早めに再就職したほうが、再就職手当が多くもらえる!

いかがでしたか? キャリアアップのためにも再就職を検討しているという方は、この時代、かなり多いのではないでしょうか? そういった考えのある方は、再就職の際の情報として、制度の中身を正しく知っておく必要があるでしょう。基本給付ばかりに目を向けて再就職を遅らせるよりも、早めに再就職することで安定したお給料と再就職手当のダブルで受け取れることもあるので、しっかり検討してくださいね!