仮想通貨の価格が暴落中! ビットコインの未来はどうなってしまうのか?

ビットコインなど、暗号資産(仮想通貨)の価格が暴落中です。2022年11月に起きた、暗号資産交換業者(取引所)大手であるFTXトレーディングの破綻による影響が大きかったと言えるでしょう。これから仮想通貨はどうなってしまうのでしょうか。投資の対象になり得るのでしょうか。仮想通貨の未来について、考えてみたいと思います。

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米国の金融引き締めによる影響が大きかった

仮想通貨の暴落は、FTXトレーディングの破綻が大きく影響しているのは事実ですが、実はそれ以前から暴落は進んでいました。

仮想通貨全体の時価総額は、2021年11月に過去最高の約3兆ドルにまで膨らみましたが、その高値から現在では75%以上も減少しています。

2021年11月をピークに下落が始まったのは、米国の金融引き締めによる影響が大きかったと言えるでしょう。
仮想通貨は株式や債券と異なり、保有するだけでは収益を得られず、価値の裏づけとなる資産もありません。
利益を得る方法は、他の投資家に自分より高値で買わせることだけです。
投機的な売買にしか使えないこういった資産は、金融引き締めで市場のマネーの量が減っていく時期には、下落する運命にあります。

もう1つの大きな問題は、仮想通貨の中に詐欺的なスキームのものがかなり多いということです。
仮想通貨はビットコインだけではありません。
いまや、なんと2万種類もあると言われています。

なぜ、仮想通貨の種類がどんどん増えているのでしょうか。

仮想通貨の実体は、何らかのプログラムです。
エンジニアがプログラムを書くことが仮想通貨の始まりですが、この段階では取引できず、価格も分かりません。

そこでエンジニアは、マーケットメーカーと呼ばれる業者にプログラムを売却します。
マーケットメーカーが価格を決め、募集した投資家に販売し、ニーズが高まった時点で取引所に上場させ、ようやく取引が可能になります。

これが仮想通貨誕生の一般的な流れです。

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FTXが破綻した理由とは

問題は、マーケットメーカーが決める価格に根拠が薄いことです。
投資家に販売される前の仮想通貨は、特にリアルな経済価値を生む存在ではありませんが、値上がり期待を持った投資家が購入することで価格がつきます。

その後も注目を集め続けることができれば、上場後も値上がりしていきます。

この時、その価格で購入された仮想通貨が発行総数のほんの一部でも、「その仮想通貨の価格」になります。
そのため、少数の投資家の売買だけで、恣意的に仮想通貨の時価総額をつり上げられてしまうのです。

もっとひどいものになると、「もうすぐ上場する」とうたって投資家に販売した後、マーケットメーカーが行方をくらますケースすらあります。
未公開株詐欺と似ていますね。

破綻したFTXも、新たな仮想通貨を上場させることで、多くの収益を得ていました。
FTTという仮想通貨を開発して上場し、傘下のマーケットメーカーに値付けを担当させ、価格を釣り上げたのです。

さらに、FTTを担保にして、外部から資金を調達しました。
メジャーリーグのエンゼルスで活躍する大谷翔平選手など、著名人を起用して、宣伝を強化していったのです。

しかし、2022年に仮想通貨全体が値下がりすると、FTXの財務状況は一気に悪化し、FTTはほかの仮想通貨以上に売り込まれる事態となり、さらに財務状況が悪化し、破綻へと追い込まれたのです。

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ビットコインが崩壊することはないでしょう

つまり、ほとんどの仮想通貨は無価値であると思います。

ただし、ビットコインに限れば、取引参加者が非常に多いため、特定のグループが取引や価格を支配できることはありません。
そのため、ビットコインという仕組みが崩壊することは、今後もないと思います。

過去のビットコインは、4年周期で上昇相場が訪れ、前回の高値を更新し続けてきました。
しかし、2021年までの上昇相場には、新興国を含む幅広い投資家が参加し、ほぼ全員が痛い目を見ました。
新たな参加者を呼び込まない限り、同様の大相場は実現しませんが、世界にはもう呼び込むべき投資家予備軍があまり残っていないのです。

それでも、唯一の追い風になり得るのが、これから国際的に進んでいくと思われる、仮想通貨規制の強化です。
ほぼ無価値の2万種類の仮想通貨が消えることになって、ビットコインだけが残れば、さらに値上がりする可能性はあると思います。

ただ、しばらくはFTX破綻の影響が尾を引いて、ビットコインの価格も上がりづらいのではないでしょうか。
以前からビットコインを資産運用に活用しているなら、ビットコインを持ち続けていても良いと思いますが、いまから資産運用としてビットコインを選ぶことはあまりオススメできませんね。

まとめ

投資初心者にはあまりオススメできません

仮想通貨が暴落した理由と、今後の仮想通貨市場についての展望を書きました。

もちろんあくまで予測ですから、これからビットコインが上がるのか、下がってしまうのかは誰にも分かりません。

資産運用という点で考えると、リスクの高い商品の1つだと思いますので、投資初心者の方はあまり手を出さないほうが良いのかなと思います。

投資信託など、リスクの低い商品から始めてみると良いでしょう。

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