心理学を使って交渉を円滑に♪~要求が通りやすくなる心理テクニック~

頼みづらい用事をお願いしたり、無理な調整をしなければならなくなったり…オフィスではそうした「交渉」が必要になる場面がたくさんありますよね。「断られたらどうしよう…」「なんで自分がこんな役目をしなければいけないんだ…」と思ってしまうような状況では、なんとも胃が痛いと思えることも多いでしょう。そんなときに大切なのは熱意や論理、下準備かと思いますが、それらをちょっとだけ後押ししてくれるような心理学を用いたテクニックがあります。そこで今回は、交渉が受け入れてもらいやすくなる心理テクニックご紹介したいと思います!難しい交渉をする機会が多い方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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営業マンがよく使う3つの交渉テクニック

知っておくといろいろと応用がきくのが今からご紹介する3つのテクニックです。ほどんどの方が名前くらいは知っているかと思いますが、いざ使おうとするとうっかり忘れてしまっていることも多いでしょう。普段から「こういうときはこのテクニックで攻めてみよう」などとシミュレーションしておくことで、パッと使えると思いますよ!

①ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック

最初に少々無理だろうと思われる大きな要求をして、相手が断ってきたところで小さな要求に切り替える方法です。

たとえば、飲み会のときに部長にちょっとだけ多めの1万円を出してほしいとします。素直に「1万円お願いします!」と言ったら、ケチな部長は「そんなに出せないよ!」と断ってくるかもしれませんね。ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを使うときは、敢えて「部長!3万円お願いします!」と言います。ケチな部長は当然「無理!」と断るでしょう。そこで「ですよね…じゃあ1万円で良いので、お願いできませんか?」と持ちかけるのです。

たとえそれが過大な要求であったとしても、「断る」ということをすると、人は少なからず良心がとがめるものです。そこに小さな要求を持ちかければ、相手が譲歩してくれたと感じて受け入れやすくなるのです。

②フット・イン・ザ・ドア・テクニック

最初は簡単な要求をし、受け入れてもらえたら次には大きな要求をするというテクニックです。繰り返していけば無理な要求も聞いてもらいやすくなりますよ♪

たとえば、春の飲み会でケチな部長に「なんとか5,000円でお願いします!」と出してもらったら、二次会では「10,000円で!」とお願いするといった感じです。人は自分の言動を一貫したものにしたいという心理があるので、一度引き受けたら次も引き受けなければいけないという気分になりやすいのです。一度目のお願いのときにしっかり喜んで、誠心誠意お礼を言うことで、より受け入れてもらいやすくなるでしょう◎

③ローボール・テクニック

最初に条件を出してOKしてもらった後、後からその条件変更するというものです。

たとえば、飲み会でケチな部長に「部長だけ5,000円でお願いします」と言っておき、OKをもらったところで「OKいただきありがとうございます。予算が上がったので8,000円でお願いします」と言うやり方です。②の「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」と同様、人は自分の意見や態度を一貫させたいという思いから、「え…?それはないよね…」と思いつつも聞いてしまう、という方向に気持ちが動きやすくなります。

ただし、ローボール・テクニックは効果的とはいえ、信用をなくすことは想像に難くないテクニックです。特にビジネスの世界では、使わないようにしたいものですね…。

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頼み事は理由を添えると受け入れてもらいやすい

「どうしてもこの仕事を先に進めて欲しい。」そんなふうに、頼み事をする際は理由を添えると受け入れてもらいやすくなりますよ!これは「カチッサー効果」と呼ばれるもの。心理学者のランガーが実験したところ、コピー機を使っている人に「先にコピーを取らせて」とお願いするとき、「急いでいるので」「先にコピーしなくちゃいけないので」と理由を添えたところ、格段に承諾率がアップしたのです。よくよく見ると、この理由は順番を譲らなければならないほどの説得力のある理由ではありません。どちらかというと自分勝手なだけですが、それでもOKされやすくなるのです。

「急いでいるので、この仕事をお願いできませんか」「話がしたいので、時間をとってもらえませんか」など、一言理由を添えてみると、あなたのお願いはグッと受け入れてもらいやすくなるかもしれませんよ♪

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「ちょっとだけ」で、相手の心理的ハードルが下がりやすい

「時間をください」「話を聞いてください」とお願いしても、「忙しいから後にして!」と切り替えされてしまうときは、ごくごく小さいお願いをしてみるのがおすすめ◎「3分で済みます!」「1分だけでいいので!」と頼み込むのです。これは「イーブン・ア・ペニー・テクニック」というもので、相手は「そのくらいなら」と思いやすかったり、そこまで小さな依頼なのに断る後ろめたさを感じたりして、お願いを聞いてくれます。そしてたいていの場合、実際にはもっと長い時間を割いてくれるのです。時間に限らず、モノや労力なども当てはまります。

まとめ

相手のことも考えながら、上手く取り入れてみよう!

いかがでしたか?今回挙げたようなテクニックは、今では知っている人も多く、あからさまにやると小賢しい印象を与えてしまうこともあるので使い方には注意が必要です。いつ何時でも、自分のメリットだけを考えて使うのではなく、相手のメリットも考慮した上で使うのが一番です。たとえば、自分が売り込みたい商品のメリットだけを伝えるのではなく、デメリットも合わせて伝える「両面提示」では、相手はデメリットを知ってもなお、良い印象を感じて制約につながりやすくなるのです。決して騙そうとするのではなく、相手にとってのメリットも与えたからこそ、最終的には信用され、長期的な利益にもつながるのです。ぜひ相手のことも考えながら、上手に心理テクニックを活用してみてくださいね!

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