あなたの貯蓄総額はいくらですか? 将来のために把握しておきましょう
「あなたの貯蓄総額はいくらですか?」。そう聞かれて、あなたは即答できますか? もちろん防犯面も考えると、堂々と口にするのは絶対に避けたいですが、現実的なところでは「いくらだっけ……」と、分からない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、貯蓄総額の把握方法について、アドバイスします。
今後の人生を生きていく上で必要なこと
物価が上がったり、税金や社会保険の負担感が増したりと、「この先どうなるんだろう……」と先行き不透明な時代です。
とはいえ、いつの時代も先のことは誰にも分かりません。
専門家でも、将来の確実な予想はできません。
予想できない将来に不安を感じたら、まずは「分かること」から把握することが大切です。
「分かること」の1つに、あなたの「貯蓄総額」が挙げられます。
貯蓄総額は、分かることというよりも、むしろ「自分にしか分からないこと」と言えるでしょう。
自分の貯蓄額がどれくらいかが分かれば、今後どう動くべきかが見えてきます。
将来に対しての不安な気持ちが、少しすっきりするはずです。
ぜひ、この機会に確認してみましょう。
預貯金のほか投資性商品や貯蓄型保険なども調べよう
「貯蓄」という言葉には、さまざまな捉え方があるのですが、ここでは、預貯金だけでなく、投資性商品など、すべての資産について指します。大まかに確認したい「貯蓄」は、以下の通りです。
●預貯金
銀行口座にどれくらいあるか、確認しましょう。
持っている銀行口座を1つずつ確認して、残高がいくらあるかをチェックします。
「昔アルバイトをしたときに作った口座に数千円残っていた」なんてことがあるかも知れません。
ぜひ、すべての口座を洗い出しましょう。
何年も使っていない銀行口座が見つかって、今後も使う予定がなければ整理するのも1つの手です。
●投資性商品(投資信託や株、債券など)
投資信託や株などの投資性商品は、増えたり減ったりしますが、ある時点での評価額をチェックしてみましょう。
証券会社の口座が1つであれば、「保有資産評価」などの項目でまとめて確認ができます。
複数の証券会社の口座を持っていれば、それぞれチェックします。
個人向け国債など、債券を保有している場合も金額を確認しましょう。
●貯蓄型保険
資産として忘れがちなのが、貯蓄型保険です。
加入している保険のうち、掛け捨てではなく、貯蓄型のものはありませんか?
貯蓄型の保険であれば、それも資産の1つです。
もし今、中途解約をした場合にいくらになるでしょうか。
分からなければ、保険会社に確認しましょう。
●iDeCoや企業型確定拠出年金
iDeCoや企業型確定拠出年金は、原則として60歳になるまで現金化できません。
59歳以下の方は、今すぐには使えないお金ではありますが、資産として持っていることに変わりはありませんので、現在の評価額を把握しておきましょう。
上記の預貯金、投資性商品、貯蓄型保険とは別の項目で記載するのがお勧めです。
また、個人事業主の方で、小規模企業共済に加入している場合は、現在の積立総額を確認しましょう。
●(もしあれば)不動産
マイホームがある場合、また不動産投資をしている場合は、それも資産の1つです。
すぐに現金化するのは現実的ではありませんが、いくらくらいかは把握しておきましょう。
仮に今、売りに出した場合はいくらかを確認して、ローン残高があれば、それを差し引きます。
金融資産とは異なるタイプですので、上記の「預貯金・投資性商品・貯蓄型保険」や「iDeCoや企業型確定拠出年金」とは、別として記載するのがお勧めです。
また、実際に売却する場合は、諸経費がかかりますので、あくまでも参考値としておきます。
すべて俯瞰して確認しよう
それぞれの現時点での金額・評価額が分かったら、一覧にしましょう。
<現金化できるもの>
預貯金…()万円
投資性商品(評価額)…()万円
貯蓄型保険(中途解約した場合)…()万円
合計…()万円
<原則60歳以降に使えるお金>
iDeCo(評価額)…()万円
企業型確定拠出年金(評価額)…()万円
小規模企業共済…()万円
合計…()万円
<不動産の評価額(参考値)※ローン残高を差し引く>
マイホーム…()万円
不動産投資…()万円
合計…()万円
いかがでしょうか。これまで、なかなか「貯蓄総額」として俯瞰してみる機会はなかったという方も多いと思います。
整理することで、新たな発見を得られるでしょう。
貯蓄額を見ることで、「このお金を今後どのように使っていこうかな?」「思ったより少ないから、貯蓄をしていった方がいいかな」などと、今後の展望が見えてきます。
まとめ
年1回など定期的に見直しましょう
今後の自分の生涯で、いつどこでお金を使いたいか計画を立てることを、「ライフプラン」「マネープラン」と呼びます。
これらを立てるのは少々手間がかかるので、先送りにしている人も多いですが、「貯蓄総額」が分かれば、興味も高まるはず。
ぜひ、貯蓄総額を確認して、今後のライフプランやマネープランを立てるきっかけにしていただけたらと思います。
そして、年1回など、定期的に見直すと良いですね。
先行き不透明な時代ではありますが、現在の自分の状況が分かれば、今後のおおまかな計画を立ててみたくなるはずです。
お金について能動的に考えることで、自分の人生がより能動的で、より自分の理想に近い形に近づいていくでしょう。